長良川の新鮮な鮎の味わいをそのままに　岐阜県「天然鮎みやちか」が特殊冷凍技術導入でEC全国展開

　岐阜県長良川沿いで取った天然の郡上鮎を提供する天然鮎料理専門店「天然鮎みやちか」 (美並観光・岐阜県郡上市)。流れが急な川の両岸から一直線に横断するように堤を設け、仕掛けた竹製のむしろで鮎を捕らえる伝統漁業の「ヤナ漁」で、最盛期は2万匹の鮎を取り、同敷地内の店舗で提供してきた。コロナ禍前は、長良川の美しい景観と天然鮎料理を求め、毎年約2万人の来店客が訪れていた観光名所。

　コロナ禍に入ってから、取り寄せ商品の問い合わせが増え、「店の味、作りたての味を届けたい！」というスタッフの思いで始まったのが、同社ECサイトでの提供に向けたプロジェクト。フリーザー急速冷凍機「ART LOCK FREEZER」(発売：デイブレイク)を導入し、店舗の味をそのまま届ける商品「天然鮎塩焼き」(税込み1200円、送料別)が誕生した。

　長良川に仕掛けたヤナ場で取った天然鮎を、生きたままフィッシュポンプで専用いけすに移動し、72時間泳がせながらお腹の砂利や石を除去。その後の保管や加工まで、全ての工程を自社で行うことで、鮮度抜群の天然鮎を大量に保管。大量生産ではなく、鮎のサイズと保管状態を見ながら、専門スタッフが1匹ずつ丁寧に手作業で調理する。

　特別な冷凍技術で、35℃以下の微細な冷気によって食材全体を覆う優しい風で凍結することで、天然鮎にほとんどダメージを与えずに高品質に冷凍。小さく均一な氷結晶が生成され、細胞膜を破壊することなく、最高の品質・鮮度・おいしさを維持することを実現している。今後も塩焼きに加え、甘露煮、一夜干しなどの天然鮎料理を、特殊冷凍と真空包装の技術の下で研究していくという。