カルチャー

人間の根源悪と向かい合う 佐藤優が読み解く村上春樹

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 読み手が誰であれ、行間に深く降りていってそれぞれの熟考を促す村上春樹の作品。これを鋭い視点で読み解く佐藤優。かなり面白い組み合わせだ。『同志社大学講義録「ねじまき鳥クロニクル」を読み解く』(佐藤優著、青春出版社・東京)が5月22日に発売される。

 村上氏の長編小説『ねじまき鳥クロニクル』をテキストとして、資本主義、能力主義、軍国主義など社会システムが生み出す悪から、人間関係の中で生まれる悪まで、人間の「根源悪」の問題についてあらゆる角度から考察したもの。母校・同志社大学の教育機関「新島塾」で行われた講義を書籍化したものだ。

本書の目次
本書の目次

 メタファーに隠された意味やマルクスが見抜いた労働疎外、資本の論理が暴走する時代、ノモンハン事変の重要性、自分の悪に気づかない悪、など佐藤氏らしい視点を借りてもう一度作品を読み返すことができる。税込み2090円。