労働力不足問題解決に取り組む企業として複数のSaaS(Software as a Service、インターネット経由で利用できるソフトウェアのクラウドサービス)を展開する株式会社うるる(東京)。同社が提供する電話代行サービス「fondesk」から、シンプル・低価格に電話の自動応答を実現する新サービス「fondesk IVR」がこのほど登場した。
2019年に提供を開始した「fondesk」は、オフィスの代表電話にオペレーターが対応し、受けた電話内容をチャット(Slack・Chatwork・Microsoft Teams・LINE・LINE WORKS・Google Chat)やEメールで報告する電話代行サービス。ITや弁護士・司法書士等の中小企業を中心に5000社以上に利用されている。
「fondesk」がオペレーターによる有人受付を提供するのに対し、新たに提供を始めた「fondesk IVR」は、あらかじめ設定したシナリオや、発信者のボタン操作に沿って自動音声により対応。68言語に対応する。設定はすべてオンラインで完結。スマートフォンからでもすぐに始められる。月額2980円(税別)で、初期費用・オプション料金も不要。
「fondesk IVR」が、飲食店または美容室で店長・マネジャーを務めている約656人に今年11月に実施したアンケート調査によると、WEB予約管理システムを導入しても7割以上は電話予約が「ある」ことが判明。9割を超える人が電話対応で通常業務に遅滞が生じた経験を持っていた。また、電話に出られなかったことで顧客の不満を招いた経験がある人が8割以上いた。さらに、「電話によるカスハラ(カスタマーハラスメント)経験がない」はわずか2.0%。多くの店舗で「録音機能を使う」「対応方針を策定する」など何かしらの対策を講じていることが分かった。
うるるでは、直感的でシンプルな操作性で、低価格で提供する「fondesk IVR」を通して、飲食店や美容室などのサービス業の現場が抱える深刻な課題解決にも貢献したいとしている。導入を検討している美容サロンからは、「施術に集中できる環境づくり、予約の取りこぼし防止、従業員の電話対応ストレス軽減に期待したい」、飲食店からは、「予約の機会損失をふせぎ、顧客満足度の向上に役立てたい」などのコメントが寄せられている。今後は、既存の「fondesk」とセットで展開することで、日本の労働力不足が加速する環境の中でも「コア業務」に集中できる環境づくりを目指していくという。