まめ学

お墓の跡継ぎ問題解消の一助に ハウスボートクラブの「海洋散骨」が4,000件を突破

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 近年、少子化や核家族化、都市部への人口の集中化が進み、お墓の跡継ぎ問題が深刻化している。「遠方にお墓がある」「墓守ができる人がいない」などの理由から、お墓を移動させる「改葬」を選択する人も多く、政府が発表した令和2年度衛生行政報告例によると、「改葬」を行った件数は、全国で11万7772件に上るという。そんな中、お墓を持たない葬送スタイルの選択肢の一つとして注目度を上げているのが、「海洋散骨」だ。

 海洋散骨「ブルーオーシャンセレモニー」を主軸の事業とするハウスボートクラブ(東京)は、2007年の創業以来、海洋散骨の施行件数が今年8月26日で累計4,000件を突破したと発表した。

 創業当初は、「故人は海が好きだったから」という理由で海洋散骨を希望する家族がほとんどだったのに対し、近年は「お墓がないから散骨を希望する」人が年々増えてきていることが要因だという。具体的には、「長男は実家のお墓を継いだが、次男なのでお墓がないという父を持つ人」「実家のお墓へ納骨することに抵抗がある両親を持つ人」「すでに嫁いでしまっているので両親の墓を準備してあげられないという人」などが、新たにお墓を建てない葬送スタイルとして散骨を希望している。

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2016年~2022年8月現在までの施行件数推移

 海洋散骨には、「お墓」の概念がなく、真の意味で「お亡くなりになった方が自然に還る」という考え方。ハウスボートクラブは、一般的な海洋散骨に加え、デジタル化が進む時代に合わせた「オンラインによる代行散骨」や、環境に配慮した「水溶性の供花」の用意など、独自のサービスも提供。また、墓じまいを希望される人向けに、墓じまいにかかる各種手続きや散骨を代行する「墓じまいサポートパック&代行散骨」も行っている。日本は、四方を海に囲まれた島国。葬送の際の選択肢に加えてみてはいかがだろう。