近年、料理や食品に含まれる糖質やタンパク質などの栄養含有量がメニュー表や商品パッケージで大きく表記されることは珍しくなくなった。おいしそうだなと思って商品を手にした後、栄養含有量表示を見て、糖質や脂質が多いな…などと棚に戻してしまうことがある人もいるかもしれない。栄養面を気にかけて食品を選ぶことは推奨されることだが、それにより食べられるメニューの幅が狭まってしまうのは残念――。こんな思いから開発されたのが、フジッコ(神戸市)の「お米のような大豆食品ダイズライス」(以下、ダイズライス)。粉末状大豆たんぱく、大豆粉、もち粉を主な原材料とし、歯応えのある食感が楽しめるお米のような見た目の大豆食品だ。
フジッコでは2023年12月26日から27日にかけて、20~60代男女 520人を対象に「食事の選び方」に関するインターネット調査を行った。それによると、食事を選択するための要素について、「おいしそうなものを選ぶ」と答えた人は51.9%で、残りの約半数は、食事の選択に栄養成分が影響していることが分かった。
「脂質」「糖質」「タンパク質」については30~35%の人が含有量を気にしており、特に「ご飯もの」(44.2%)、「揚げ物」(41.1%)が避けられていた。その理由は、「体型維持のため」(39.8%)、「病気/疾患、または予防のため」(38.7%)、「ダイエットのため」(31.7%)、「筋肉づくりのため」(25.0%)などだった(いずれも複数回答)。含有量を気にかける一方で、糖質やタンパク質の1食当たりの摂取量について、具体的な数値の目安については持っていない人がいずれも約9割だった。
このような結果を受けフジッコは、「食事選択において重要な要素となっている栄養を踏まえつつ、食べたいものを食べてほしい」と、ダイズライスを紹介するイベントを1月31日に東京都内で開催した。イベントでは、同社コア事業本部 新事業開発部の田口敬子氏が、アンケート結果の概要や、ダイズライスの開発の歩み、お米のように活用できて多様な目的に応じて糖質やタンパク質などの栄養調整ができるといったメリットを紹介。管理栄養士・フィットネストレーナーの河村玲子氏が、栄養摂取基準などについて解説した。
ダイズライスは、1食(150g)あたりタンパク質24.3g、糖質7.2gと、米と比べてタンパク質が6.4倍、糖質は86%(「日本食品標準成分表 2020年版」うるち米<水稲めし・精白米>とダイズライスプレーンの比較)。栄養素の摂取基準は、性別・年代・体型・運動量・ライフスタイルなどによってさまざまに異なるが、河村氏はその算出方法も紹介。「食事だけでやせたい運動嫌いな40代の女性」「理想の体を追求する筋トレ好きな30代男性」「食事を中心にウオーキングを日課にしてダイエットに取り組む60代女性」などの具体的なケースを挙げながら、自分に合った栄養素の摂取基準量を把握し、ダイズライスを取り入れることで、食事メニューの幅やバリエーションを楽しみながら、おいしく健康な食生活を送ることを提案した。
フジッコのシェフが考案したダイズライスのおすすめメニューの試食会も行われた。カレーライスやリゾット、ヒレカツ丼、ダイズライスサラダなどの試食が提供され、参加者たちは、「思っていたよりずっとおいしい」「普通に主食としておいしく食べられる」などの声が上がった。
ダイズライスは、レンジで温めて食べる冷凍タイプと、家で炊いて食べる乾燥タイプの2種類の品そろえ。米と比べると価格は割高だが、タンパク質を効率よく摂取でき、主食の代わりになる食品として、1日の中で1食だけ取り入れたり米と半々にしたりする形で気軽に試してみることができそうだ。