おでかけ

「あお」を見つける宮古諸島の旅【あなたをエスコート 幸せになる旅コラム#5】

③青い空と碧い海に挟まれた伊良部大橋

 「青」「蒼」「碧」、どの漢字も「あお」と読み、英語でいう「ブルー」の色です。一般的には「蒼」や「碧」は「グリーン」に近い色ともいわれています。あなたはどんな「あお」が好きですか? 私はウミガメと泳いだ沖縄県宮古島の海の「あお」が忘れられません。宮古島は沖縄本島から南西に約300㎞、那覇から空路で約45分の距離にあります。2015年に伊良部大橋が開通し、宮古島から伊良部島、下地島が陸路でつながり、来間島、池間島も含めた5島のドライブが可能となりました。今回は宮古島と伊良部島、下地島の3島をエスコートします。

 宮古空港からレンタカーで旅を始めます。旅先での事故はすべてを台無しにするので、安全運転を心がけましょう。ホラ! 南の島の「青い空」の下で働く、微妙な表情の警官が見ていますよ。宮古諸島には「宮古島まもる君」と呼ばれる警察官型の人形が20基ほど設置されていて、1基ずつ顔が異なります。女性警官の「まる子」ちゃんもいるので探してください。

宮古島まもる君(の兄弟)。
宮古島まもる君(の兄弟)。

 旅が仕事の私は、たくさんの方に「ドライブするならどこがオススメ?」と質問されます。その問いには必ず「伊良部大橋」と答えています。2015年に完成した宮古島と伊良部島を結ぶ全長3540mの橋です。歩行者も渡ることができる無料の橋としては日本最長です。伊良部大橋は「青い空」と「碧い海」の境界線です。

青い空と碧い海に挟まれた伊良部大橋。
青い空と碧い海に挟まれた伊良部大橋。

 伊良部島で昼食を済ませ、下地島に渡ります。伊良部島と下地島は陸続きかと思ってしまうほどの距離です。下地島には空港があり2019年からは定期便が就航しています。13年までは大手航空会社の飛行訓練に利用されていて、かつては大型の旅客機が離着陸を繰り返す様子を間近で見学できる観光スポットでした。誘導灯の赤が通る「青と碧」のコントラストは一見の価値があります。

碧い海に建つ下地島空港の誘導灯。
碧い海に建つ下地島空港の誘導灯。

 下地島空港のすぐ近くには、2つの池が並んだ「通り池」という観光地があります。水深は40mから50mで、2つの池は地下でつながっています。通り池には、外海から巨大な海底洞窟を経由して入ることもできるそうです。池の水面にポコポコと気泡が浮かんでいたら、水中にダイバーがいるということでしょう。太陽光の加減かもしれませんが、私には神秘的な「蒼い池」に見えました。

ダイバーが憧れる下地島の通り池。
ダイバーが憧れる下地島の通り池。

 宮古島に戻り、私のお気に入りの海岸へ移動します。詳細な場所の説明はできませんが、島の南部にある浅瀬の海です。2013年、この浅瀬でウミガメと泳ぐことができました。18年に再訪した際も同じ場所で、おそらく同じ個体と再会しました。どうやら周辺に棲みついていると予想されます。再会からさらに4年が過ぎた22年の秋、みたび会うことができました。ウミガメと泳ぐ海の色は漢字にはできない美しい「あお」でした。

宮古島で(多分)再会できたウミガメ。
宮古島で(多分)再会できたウミガメ。

 伊良部大橋が完成したことで、宮古諸島は活気があります。「宮古島バブル」とも呼ばれるほど、新しい宿泊施設が次々と開業しています。各部屋に専用のプールが設置されたヴィラタイプは特に人気があるそうです。伊良部大橋からほど近いプライベートホテル「SEA SIDE」さんの部屋を取材しました。空を映した「青いキャンバス」のようなプールの水面に、白い雲が浮かんでいます。泊まれたら幸せだろうなぁ。

プライベートホテル「SEA SIDE」。
プライベートホテル「SEA SIDE」。

【旅人略歴】
 エスコートK…数十年前、旅程管理主任者の1期生として、国内外のツアーをエスコート。現在は生活情報誌の編集長だが、旅の取材だけは自らのカメラを手に、こっそりとデスクを離れ出掛けている。