『あの人が消えた』(9月20日公開)
配達員の丸子夢久郎(高橋文哉)は、「次々と人が消える」とうわさされるいわくつきのマンションに毎日のように荷物を配達するうちに、怪しげな住人たち(北香那、坂井真紀、袴田吉彦、染谷将太…)の秘密を知ってしまう。
小説家を目指す職場の先輩・荒川(田中圭)に相談し、彼の意見を聞きながら住人の正体を探ろうとする丸子だったが、いつしか2人は思いがけない事件に巻き込まれていく。
水野格が監督・脚本を担当したオリジナルのミステリー映画。伏線を張りめぐらせた予測不能な展開で描く。何度も転調し、果たしてこれはホラーなのか、犯罪物なのか、心理ミステリーなのか、コメディーなのかと見る者を幻惑する。
実はこの映画は、いろいろな過去の映画からインスピレーションを得ているのだが、その映画のタイトルも含めてネタバレになるので肝心なことは書けない。
マンションの住人の一人であるウェブ小説家の小宮を演じた北香那にインタビューをした際も、聞く方も答える方もネタバレを意識し過ぎて妙な会話になり、笑い話のようになってしまった。
(田中雄二)