
町の未来の農業を考えよう―。岩手県紫波町立紫波第一中学校の3年生の生徒5人が23日、修学旅行のグループ学習の一環で、JR東京駅前にあるYANMAR TOKYO1階の体験型展示施設「ヤンマー米ギャラリー」(東京都中央区)を訪れた。
紫波町はお米の生産が盛んな地域。生徒5人は、スマート農業などについて学ぼうと、ヤンマーアグリの東京企画室で働く岡村雄作さんから世界の食糧生産の現状や、日本の農業の課題などについて約1時間、講義を受けた。
岡村さんは、国内でお米の消費量が減っている現状や、紫波町の農業経営体数などを説明し「農業者の減少と高齢化が課題です」と指摘。生徒からは「今後のスマート農業の普及に必要なものは何か」「スマート農業のよい点や課題は」などと質問が出た。岡村さんは「農家を盛り上げるため、学生ら若い人たちにも町の農業関連のイベントに参加してほしい」「スマート農業機器を導入するだけでなく活用して、しっかりと農家の利益を出すことが大事です」と話した。
その後、生徒らは、タッチパネルで世界各国のお米料理の作り方を学べる「お米の料理MAP」コーナーや、米作りがどのように発展してきたかを上映するマルチディスプレーなどが設置されたギャラリー内を見学した。
「ヤンマー米ギャラリー」は、2023年1月に「お米」の新しい可能性を発信することを目指してオープンした。複合施設「YANMAR TOKYO」の1階にある。お米や農業の未来などについて学び考えることができる体験型となっているのが特色だ。
ヤンマーは、これまでも食文化の魅力を発信するさまざまな取り組みを行ってきた。最近はインバウンド(訪日客)の増加に伴い、外国人観光客も多く訪れているという。
米ギャラリーはJR東京駅直結の好立地。ヤンマーHDの担当者は「今後、修学旅行で東京を訪れる各地の生徒のみなさんには、空き時間などを利用して米ギャラリーの見学をしていただけたらうれしいですね」と話している。開館時間は午前10時から午後7時。入場は無料。
