カルチャー

“炭酸水で割るビール”サントリー「ビアボール」 度数ごとのおすすめ料理と一緒に「キッサカバ」で味わってみた

 サントリーが開発したアルコール度数16%の「ビアボール」は、炭酸水で割ることを製品上で訴求する日本初のビールという。11月半ばに家庭用として瓶入りで発売されるのに先駆けて、現在、飲食チェーン「PRONTO」(プロント・東京)の夜の業態「キッサカバ」などで先行展開されている。ビール大好きなOVO編集部員(アラフィフ女性)が抱いたのが、「ビールを炭酸水で割ったらどんな味わいなのかな?」という素朴な疑問と期待。「プロント ムスブ田町店」(東京都港区)に、ビアボールとキッサカバのおつまみを味わいに行ってきた。

 まず「キッサカバ」は、プロントが2021年4月から取り入れた新しいスタイル。キッサ+サカバ=「キッサカバ(喫茶酒場)」というコンセプトで、酒場でありながら、喫茶店のような懐かしさやワクワク感のある空間やおつまみ、お酒を提供する。 単に「夜にはアルコールも提供する」というのではなく、昼と夜で提供するメニューもガラリと変わり、夜は完全に「酒場」になる。

JR田町駅直結の「プロント ムスブ田町店」。
JR田町駅直結の「プロント ムスブ田町店」。

 このキッサカバで提供されているビアボールは、アルコール度数が「軽め2%」「定番4%」「濃いめ8%」の3種類。この3種類を味わってみると・・・。「軽め2%」はすっきりした軽い飲み口ながら、ビールの味わいもちゃんと感じられる。「定番4%」は、定番ビールの味わいだけれど、より爽やかな味わい。「濃いめ8%」は、どこかウイスキーのような雰囲気もある、しっかりとした味わいだが、アルコール感が強くなく、どんどん飲めてしまう。“割る炭酸水の量で味が変化する”ということへの驚きとともに、どの濃さでもビール+アロマホップ100%使用によるフルーティーな味わいと香りのバランスが絶妙なのが印象的だ。

 同社によると、ビール類市場は17年連続で前年割れが続いているという。そんな中、“好きな濃さで自由に楽しむ”というビールの楽しみ方の新たな価値観を提案すべく、「ビアボール」を開発した。発酵工程でアルコール度数を16%まで高める難しさを乗り越え、氷を入れ炭酸水で割ってどんな濃さで作っても、しっかりと感じられるビールの味わいを実現したという。「食中酒」として、食事と一緒に味わってもらいたいとしている。

ビアボールは奥左から、アルコール度数「軽め2%」「定番4%」「濃いめ8%」。料理は左から、「チューリップカラアゲ」「とうもころしのテンプラ」(とうもろこしの言い間違いではありません)「辛口チョリソー」。
ビアボールは奥左から、アルコール度数「軽め2%」「定番4%」「濃いめ8%」。料理は左から、「チューリップカラアゲ」「とうもころしのテンプラ」(とうもろこしの言い間違いではありません)「辛口チョリソー」。

 さて、キッサカバのメニューと、各アルコール度のビアボールを味わってみた。まずは、「軽め2%」とキッサカバ看板メニューという「チューリップカラアゲ」のプレーン味。素朴で、隠し味にほんのりショウガの味わい。薄めの衣は多少時間をおいてもサックリ感があり、肉もやわらか。それらのさり気なくも確かなおいしさは、スッキリ軽めの2%ビアボールと合わせることでさらに引き立てられる。優しい味わいに粒状の黒コショウが利いた「すんごい胡椒(こしょう)のたまごポテサラ」も、「軽め2%」に合う。

優しい味わいのたまごポテサラに、粒状黒コショウがジワジワ来る「すんごい胡椒のたまごポテサラ」。
優しい味わいのたまごポテサラに、粒状黒コショウがジワジワ来る「すんごい胡椒のたまごポテサラ」。

 「定番4%」におすすめなのは、「とうもころしのテンプラ」や「炎上しめ鯖(さば)」。塩のみの味付けで甘さが引き立った「とうもころしのテンプラ」や、店舗であぶった香ばしさのある「炎上しめ鯖」には、濃すぎず薄すぎずの定番ビールの味わいがちょうどいい感じ。

店舗であぶる「炎上しめ鯖」。
店舗であぶる「炎上しめ鯖」。

 ガツンと来る「濃いめ8%」には、しっかりした味わいの「辛口チョリソー」や「灼熱のモツ煮」がピッタリ。ビアボール、フードのどちらの味わいの主張も負けず、両方のインパクトが楽しめる。

アツアツで出てくる「灼熱のモツ煮」。
アツアツで出てくる「灼熱のモツ煮」。

 ちなみに、写真を使わずレトロ感あふれるキッサカバのフードメニューには、ほかにも「オカンが作るハムエッグ」「金持ちぼんぼんの生ハムピザ」「葱(ねぎ)マシマシチャーシュー」など楽しいネーミングが並ぶ。好奇心をそそられ、思わず頼みたくなってしまう。

 ビアボールには、“割る炭酸水の量で味が変化する”楽しさがある。一緒に飲む人たちとその味わいの違いを感じながら、「自分はこれが好み!」と共有する楽しさもある。そして、いろいろな濃さのビアボールにどんなフードが合うかを語り合うのも楽しい! ビール好き仲間との時間を、楽しく盛り上げてくれそうだ。店舗で味わうだけでなく、ホームパーティーなどで、ビアボールのさまざまなアルコール度数に合うメニューをあれこれ考えて準備してみるのも楽しそう。

 サントリーによると、ビアボールは、プロントを含め全国の1,000を超える飲食店で一般販売に先駆け提供されているという(ビアボールを提供していないプロント店舗もあり)。同社の“ビールの全く新しい楽しみ方への挑戦”が今後広まり定着していくか、ビールファンとしても期待が高まるところだ。ビアボール家庭用小瓶(334ml)の展開スタートは、11月15日予定とのこと。おうちで好きな濃さで自由に楽しむビアボールの時間を、楽しみに待ちたい!