社会

「こどもホスピス」支援の議員連盟発足 全国各地の取り組みを支援

こどもホスピスの設置活動を進める各地の団体も参加して開かれた議員連盟の設立総会(衆院第1議員会館)
こどもホスピスの設置活動を進める各地の団体も参加して開かれた議員連盟の設立総会(衆院第1議員会館)

 命に関わる重い病気や障がいのあるこどもと家族が安心して楽しく過ごせる「こどもホスピス」の整備や運営を支援しようと、自民、公明両党の国会議員約40人でつくる議員連盟が17日、発足した。こどもホスピスに関する政策を研究、議論し、財政面などでも全国各地の取り組みを支援する予定。

 こどもホスピスは1980年代に英国で始まり、欧州を中心に広がっている。医療やみとりが主目的である大人のホスピスと違い、外出もままならないこどもや家族に学びや遊びの機会を提供し、楽しい思い出をつくったり夢を育んだりしてもらおうという施設。日本では「淀川キリスト教病院こどもホスピス」(大阪市)が2012年に設立されたほか、病院併設ではない民間施設として「TSURUMIこどもホスピス」(大阪市)が16年に、「うみとそらのおうち」(横浜市)が21年に開設された。他にも各地で活動が進んでいるが、建設や運営に多額の費用がかかり、医療・福祉制度上の支援も十分でないことが大きな課題となっている。

 衆院第1議員会館で開いた議連設立総会には、会長の井上信治衆院議員(自民)や発起人の永岡桂子文科相、小倉将信少子化担当相、ホスピス設立を目指す各地の団体の代表者らが、オンライン出席も含めて参加した。井上会長は「日本にはこどもホスピスという制度がないため、医療、介護、福祉、教育のはざまに落ちている。何とかしたいという思いで議連を設立した」とあいさつ。全国こどもホスピス支援協議会を代表して、認定NPO法人「横浜こどもホスピスプロジェクト」の田川尚登代表理事が①整備・運営を支援する行政側の窓口設置 ②財政支援策の検討 ③小児緩和ケア提供などの調査研究 ④基本方針を関係法令に記載―することなどを要望した。