カルチャー

フィクションを超えた小説 ヒラリー氏が描く外交の内幕

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 弁護士であり、米主要政党の大統領候補となった最初の女性、ファーストレディでもあったヒラリー・クリントン氏と、カナダの犯罪小説作家ルイーズ・ペニー氏の共著、話題の『ステイト・オブ・テラー』(小学館・東京)の和訳がついに発売された。

 オバマ政権下で国務長官を務め、さらにドナルド・トランプ氏と大統領選を争ったヒラリー氏自らをモデルにしたスリラーだ。当選したばかりの大統領は、予備選でライバル候補を支援してきた最大の政敵を国務長官に選ぶ。新大統領が議会で一般教書演説を始めた頃、国務省南・中央アジア局の女性職員のデスクに数字と記号だけが並んだ奇妙なメールが届く。その日の深夜、ロンドンで大規模な爆破事件が、そして次なる爆発はパリで…。先読み不能の展開。訳者の吉野弘人氏は、当初は話題先行で内容はどうなのかという心配も頭をよぎったとしながら、「まさにページをめくる手が止まらない一級品のスリラー」と絶賛している。税込み2,970円。