
約60年前に開発され、現在はシャッターを下ろした状態の店舗が目立つ東京・東村山市の青葉商店街。そこで世界に誇る技術を持つウチノ板金(東京都東村山市)が、世界的建築家の隈研吾氏とコラボし、板金を外壁に用いた「和國商店(わくにしょうてん)」をこの秋オープンする。商店街が新たな価値を生み出す場所になることを目指している。
和國商店は、屋根や外壁などの板金を手がけるウチノ板金の工芸品ブランドで、板金の折鶴には海外のファンも多く、昨年からはフランスやドイツの学校、大使館や公的機関で、板金折鶴製作のワークショップを開催。日本文化や折鶴の意味、板金技術を海外に伝える活動も行っている。
活気がなくなってしまった商店街をよみがえらせ、職人不足や技術継承などさまざまな問題の解決の糸口を見つけたいとスタートしたコラボ。隈研吾氏は「商店街ならではの建築スケールを残しながら、ファサードから家具までさまざまなスケールを板金で製作することで、かつてにぎわっていた商店街の歴史と、新たな商店街の未来とをつなぐ架け橋を作ります。普段屋根や外壁で目にしている板金にはこんな使い方があるんだ、と驚いてもらえるような空間になります。東村山の子どもからお年寄りまで、みんなが気軽に立ち寄れる街のカフェとして、人々に愛され続けるコミュニティーの場となることを願っています」としている。