製薬会社アッヴィ(東京都港区)は、免疫介在性炎症性疾患を持つ患者を対象とした「第4回アッヴィアートプロジェクト『パースペクティブズ』」の表彰式を2023年8月30日に開催した。
免疫介在性炎症性疾患とは、免疫応答の調整不全によって組織に炎症を生じる疾患の総称で、関節リウマチ、尋常性乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデスなどが含まれている。進行性で身体機能に負担や制限がかかるものも多く、心身に大きな影響を及ぼすことがあるとされている。
このプロジェクトは、患者が病気と向き合いながら、自分自身の「パースペクティブズ(視点、考え方、物の捉え方の意味)」で捉えた心と体、症状の改善などから見いだした日々の喜びや希望、目標などを自由に絵画や彫刻、立体造形、陶芸、写真、書道、手芸などのアート作品で表現してもらうことで、疾患や患者への理解につなげることを目的に実施している。
応募総数112点の中から、最優秀賞1点、優秀賞1点、審査員賞3点、佳作5点が選ばれた。最優秀賞は、福岡県の中島早希(なかしま・さき)さん(11歳)の絵画「Diversity」。審査員を務めた美術家の佐久間あすか氏は「アートを通して、難病と闘いながらも、前向きに力強く前進していく思いが私たちの心に強く伝わってきた。同じ病で悩む方々にも、これらの作品は勇気や希望を与えてくれると思う」と話した。
受賞作品は、アッヴィのホームページとバーチャル空間上に構築した「オンライン美術館」に展示しており、パソコンやスマートフォンで鑑賞することができる。