備蓄米の放出によって価格が下がることが期待されたコメの値段──ところが、データをみる限り、急騰した価格が収まる気配は一向に感じられない。ビッグデータプラットフォームを運営するTrue Data(トゥルーデータ/東京)が、同社の統計データをもとに、ドラッグストア、食品スーパーマーケットにおける2025年3月の売り上げ伸長カテゴリでも、令和の米騒動が続く実態が明らかになった。データ集計期間は2025年3月1日~3月31日。
この調査によると、「米」の売上金額は前年同月と比べ大きく増加したものの、売上個数は微増にとどまった。具体的には、売上金額が食品スーパーマーケットで前年同月と比べ72.9%増加、ドラッグストアで同82.5%増加。同社の購買データ分析ツール 「Dolphin Eye」によると、3月の「米」カテゴリ全体の平均単価(すべての容量の商品を含む)は、前月2月よりも上昇しており、備蓄米放出による価格低下は確認できない。
米以外のカテゴリでは、平年よりも平均気温が高く、過ごしやすい日が多かった3月は夏物商材が売り上げを伸ばしたという。ドラッグストアでは「UVケア・サンタン」の売上金額が前年同月比15.0%増加し、「制汗防臭剤」が同11.1%増加した。食品スーパーマーケットでは「スピリッツ」が同17.3%増加し、「炭酸水」が同12.7%増加、「パーソナルアイスその他」は同11.6%増加した。このほか、気温が高めで花粉の飛散量が多い日が多かった本年3月は、ドラッグストアで「目薬」の売上金額が前年同月比27.9%増加、「鼻炎用薬」が同23.8%増加した。食品スーパーマーケットでも「鼻炎用薬」が同27.9%増加、「目薬」が同26.1%増加したのが目立った。