
古くなっても大切に使い続けることは、大抵の場合称賛の対象。年月を経て味が出る、今は少なくなったかつてのデザインに希少性があるなど、アンティークはそれだけで一つの価値がある。車も、クラシックカーは見る分には「すてき」だが、オーナーで居続けるのは大変だ。旧車の重課税があるからだ。旧車ユーザーの調査(カレント自動車・横浜市)では、8割のオーナーがこの重課税に不満を感じている。
自動車税(種別割)には、排気量に応じた課税に加えて、経年車に対する重課税がある。環境に配慮するさまざまな施策がある昨今、車もエコなものに乗り換えてほしいという趣旨だが、ずっと乗り続けたいと思うオーナーにとってこの税負担は重い。日本の税制では、車齢が13年を超えると自動車税が約15%増税される。一方海外の多くの国では、旧車に対して優遇措置が設けられ、クラシックカー文化の保存や活性化が進んでいる。例えばドイツでは、初年度登録から30年以上経過し、オリジナルの状態が保たれている車両または専門的に修復された車両に対して「Hナンバー」が付与され、税制上の優遇を受けることができる。
今回の調査は、旧車に興味のある135人を対象に、5月20〜26日に実施。「自動車税の重課除外または適用年数の見直し」が最も多くの支持を集め、全体の83%(112票)にのぼった。次いで、「車検費用や重量税の軽減」(94票)、「維持年数や走行距離に応じた優遇措置」(68票)、「旧車保険料の割引」(55票)などが挙げられ、旧車オーナーが直面する経済的負担の軽減を求める声が多数寄せられた。