-そういう2人の微妙な空気を絶妙に和ませるのが、穣の弟の種くんです。家族のクリスマスパーティーに豊を誘いたい穣が、なかなか言い出せずにいるところへ、種くんが無邪気に割り込んでくる場面などは印象的です。種役の前山くうがくんの印象はいかがでしたか。
犬飼 あの感覚はすごいよね。デビューした頃の僕よりずっとお芝居が上手で、ポテンシャルの高さを感じました。
飯島 絶妙なところで邪魔してくるんだけど、その感じがすごくいいんだよね。「邪魔なんだけど、でも同時に、来てくれて助かる」みたいな。
犬飼 すごくいいアクセントになっていたし、現場のみんなが本名じゃなくて「種」って呼んで、現場全体のムードメーカーだったよね。
飯島 毎日撮影は大変だったけど、種は常に天真らんまんで元気いっぱい。それを見ていたら、僕らも「頑張ろう!」と思えた。
犬飼 待ち時間には助監督さんとずっと取っ組み合いをしていて。クランクアップしたとき、種がみんなに手紙を書いてくれたんだけど、その助監督さんへの手紙には「戦ってくれてありがとう」って書いてあったのをよく覚えています(笑)。
-お二人と種くん、3人の関係も見どころですね。それでは最後に視聴者へのメッセージを。
犬飼 地元・徳島で撮影できたおかげで、とても気持ちのいい時間を過ごすことができました。これを見て、「ほんわかと温かい気持ちになる」とおっしゃってくれる方も多いんですけど、それはやっぱり、徳島の空気のおかげもあると思います。徳島で撮影ができて、本当によかったと思っています。
飯島 僕も、徳島のゆったりとした空気の中で約1カ月、落ち着いて撮影に臨めたのは、すごく貴重な時間でした。やっぱり、その土地の空気って、絶対に画に映るんですよね。そんないい空気の中で生まれた豊と穣の温かな物語を、ぜひ皆さんに見ていただきたいです。
(取材・文・写真/井上健一)