カルチャー

コロナ禍の日々つづった75編 珠玉のエッセイのアンソロジー

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 コロナ禍に加えて土砂災害や地震、台風など、自然の脅威に追われているような日々。この一年をさまざまな書き手たちがつづったエッセイのアンソロジー、『ベスト・エッセイ2022』(日本文藝家協会編、光村図書出版)が発売された。

 恐怖や不安、悲しみと向き合いながらも、ささやかな楽しみや喜びを発見し、心を優しくいやしてくれる素敵なエッセイたち。日々の雑感、考察、失敗談から、心に残る追悼文まで、珠玉の75編を通して、多彩な作家、書き手たちとの新たな出会いを楽しめる。

 例えば横尾忠則氏が瀬戸内寂聴さんの思い出をヨコオ節で熱く語った「死も遊びだと思いましょ」や、俳句で悪態をつき気持ちをすっきりさせる夏井いつき氏の「悪態俳句のススメ」、ダウン症の弟のピュアな心に寄り添う姉を描いた岸田奈美氏の「ガラスのこころ」など。空いた時間にページをめくり、心の養生を。定価は税込み2,200円。