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「水田ファーモ」累計1万台突破 スマホで給水ゲートを遠隔操作し水管理

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farmo 「水田farmo」とアプリ

 

 スマート農業を推進するfarmo(ファーモ、宇都宮市)は、ITを活用して田んぼの水位を遠隔監視できる独自開発の水管理システム「水田ファーモ」がこのほど累計1万台を突破した、と発表した。

 水田ファーモを利用すると、田んぼに行かずにスマートフォンで田んぼの水位をミリ単位で確認できる。さらに自動給水ゲートをスマホで遠隔操作して、田んぼの給水・止水が可能。遠方に数多くの田んぼを持つ農家は、現場を訪れての水位確認、水位調節の手間が省け、労務軽減や作業の効率化が可能となる。田んぼの水位管理は品質の高い米を生産するために重要な要素で、おいしい米作りのためにも厳格な管理が求められているという。

 ファーモによると、30ヘクタールの田んぼを1人で管理する栃木県北部の大規模農家の一人は、自宅から11キロ以上離れた場所にも田んぼがあり、水管理は重労働。水位調節も「経験と勘に頼った管理をしていた」ため「米の品質管理が難しくばらつきがあった」という。そこで一部の田んぼで水田ファーモを活用。移動コストの1時間削減、ミリ単位の水位確認に成功した、という。栃木県那須町の水田ファーモ利用農家も、きめ細かな水管理が可能になり、品質の高い米の生産に成功して「米食味分析鑑定コンクール」で金賞を受賞した。水位管理に割いていた時間は米直販のイベントや営業活動に振り向け、販売増も実現した、という。

 ファーモは「水田ファーモの水位センサーを田んぼに設置しておけば、手元のスマホで水位がわかる。スマホ操作で、田んぼに設置した給水ゲートを開閉し、遠隔で入水・止水も可能。さらに自動設定にすれば、給水ゲートが自動開閉し望む水位を保つことができる」としている。