SDGs

自分にも社会にも心地いいスプレー 搾りカスが主役の「リンゴだったサニタイザー」

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 人出などはコロナ禍以前に戻りつつあるが、依然としてマスク・消毒液(サニタイザー)を携帯している人も多いのでは? 花粉症・季節性インフルエンザ・食中毒・・・。何かと心配事は絶えないから、用心するに越したことはない。さまざまな生活様式に変化を生んだコロナ禍は、私たちの社会を見直すきっかけにもなった。以前にも増して、商品の産地や製造工程、使用後の行方が気になるという人も増えたことだろう。使いやすい・安全な商品であることはどのようなアイテムでも大前提だが、その商品が作られた背景やその商品が持つ意味についても、もっと考えてみる必要がありそうだ。

詰め替え用や携帯用などが入った「プレミアムセット」
詰め替え用や携帯用などが入った「プレミアムセット」

 研究型スタートアップ企業の「ファーメンステーション」(東京)は、リンゴの搾りカスや規格外のリンゴを活用した除菌スプレー「リンゴだったサニタイザー」をクラウドファンディングサイトで先行発売している。

 今回の製造で使用されているのは、なんとリンゴ1700個分! ジュースやシードルを作った後に発生する搾りカスや、規格外で出荷できないリンゴを発酵させてエタノールを抽出。従来であれば廃棄予定のリンゴを、サニタイザー1本(200ml)あたり約1.3個分救っているという計算だ。香料・添加物不使用ながら、リンゴの爽やかな香りが広がるトレース可能な除菌スプレーを開発した。

 食品由来のこのエタノール(アルコールの一種)は、一般的なアルコールにある“ツン”とした刺激臭がなく、毎日使用しても手が荒れにくい優しい使い心地が特徴。そして、このサニタイザーを買えば買うほど、食品ロスを減らせるという点で、社会にとっても“心地いい”商品になっている。さらに、発酵の過程で出る“発酵カス”は鶏や牛のエサにし、鶏・牛の糞(ふん)は田んぼ・畑の堆肥として使用するなど、すべての工程でゴミを出さないサーキュラーエコノミーな商品を実現しているのもポイントだ。

 プロジェクトのリターンは、1)10mlの携帯サニタイザー・リンゴジュース・パンフレットが入った「応援メニュー」(税込み3000円)、2)「リンゴだったサニタイザー」のスタンダードセット超早割(2割引、同4000円)、3)「リンゴだったサニタイザー」プレミアムセット早割(1割引、同8100円)、4)友人・同僚とシェアできる「おすそわけセットB」(同1万2000円)、5)ファーメンステーション東京ラボの見学会が付いたプレミアムセット(同1万5000円)など。詳細はプロジェクトページから。

ゴミを出さない循環(サーキュラーエコノミー)はファーメンステーションの特長の一つ
ゴミを出さない循環(サーキュラーエコノミー)はファーメンステーションの特長の一つ

 今回はリンゴという未利用資源を活用しているこの「~だったサニタイザー」シリーズ。リンゴの次はゆずなどの果物を検討しているという。プレミアムセットの箱に書かれたキャッチコピー「Hello Me!」には、搾りカスが新しい“自分”に生まれ変わる、という意味合いを持たせている。

「リンゴだったサニタイザー」の原料
「リンゴだったサニタイザー」の原料

 アルコールはアルコールでもせっかく購入するのであれば、使用原料や商品のストーリーがはっきりしている、自分も社会もハッピーになる商品を選んでみては? 「~だった」シリーズをきっかけに、家族と一緒に食品ロスについて考えてみるのもいいかもしれない。また、商品を一度試してみたいという人は、Allbirds(丸の内・原宿・大阪店)、d47食堂(東京)、Good Nature Station(京都)、発酵デパートメント(東京)、パタゴニアの各店舗(予定)にテスターが設置されている。クラウドファンディングは5月21日(日)まで。