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コロナ禍で結婚式やカップルの意識はどうなった? 「ゼクシィ」と「リクルートブライダル総研」が調査

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 新型コロナウイルス感染が広がる中での結婚式はいかなる形で意識は変わったのか?
 リクルート(東京)が企画運営する結婚情報誌「ゼクシィ」が実施した「結婚トレンド調査2022」で明らかになったのは、パンデミックによる変化。行動制限の発令は、結婚式にかかる金額を縮小させ、招待客の人数の減少につながったようだ。

 つまり、結婚式の実施が緊急事態宣言もしくはまん延防止等重点措置の期間中だった人は、それ以外の期間だった人に比べて、予算や招待客数に影響を受けていたのだ。

 今後の結婚式のキーワードは「自分推し」や「家族推し」といった「“推し”婚」だという。「自分の本当に大切なものは何か、ということがコロナ禍で問いとして出てきている」とリクルートブライダル総研の落合歩(おちあい・あゆむ)所長はいう。

 「今までの既成概念から抜け出して、自分がどうしたいのか、どうありたいのか、を大事にするということです。コロナ前から多様化ニーズは高まってきていましたが、コロナで普段の生活で人に会いにくくなったこともあり、顕著になってきた」と落合所長。

 今年の調査結果に戻ると、新型コロナの影響による行動制限中に挙式・披露宴・ウエディングパーティーを行った人のうち「予算・金額を縮小して実施した」のは28.6%、「招待・参加人数を縮小して実施した」のは68.5%だった。行動制限外の時期にイベントを実施した人に比べて、どちらも6ポイント程度高い結果となった。

 入籍から挙式実施までの期間の平均は、コロナ禍前よりも長くなった昨年(8.5カ月)をさらに上回り、調査開始以来最長の9.5カ月となった。

 一方、挙式・披露宴・ウエディングパーティー総額の平均は303.8万円で、昨年の調査(292.3万円)から11.5万円回復した。昨年の平均額は、コロナ感染拡大の影響から、前年(2020年)の362.3万円からの大幅な減少だった。

 さらに、招待客一人当たりの挙式・披露宴・ウエディングパーティー費用の平均は、コロナ禍前よりも高い結果となった昨年の調査と同額の9.8万円だった。ちなみに2020年調査は6.9万円、2019年は6.8万円だった。

 招待客一人当たりの料理費用(飲み物を除く)の平均は1万6,700円で、2021年調査の1万6,100円から増加。一人当たりのギフト費用の平均は6,900円で、2021年の6,800円、2020年の5,900円から上昇。どちらも全国値推計を開始した2009年以来最高となった。

 披露宴・ウエディングパーティーの招待客人数の平均は43.2人だった。2021年は過去最低の42.8人、2020年は66.3人だったことから、今年と昨年はコロナの影響を強く受けたことがうかがえる。ちなみに2009年には73.8人だった。

 ご祝儀総額の平均は180.4万円で、コロナ禍で大きく落ち込んだ昨年調査から3.6万円回復した。また、挙式・披露宴・ウエディングパーティーにおけるカップルの自己負担額の平均は147.3万円で、昨年の調査から3.6万円増加。親・親族からの援助があったカップルの割合は71.9%で、昨年の69.4%,から上昇した。

 前回(2021年)と今回の調査対象期間ではコロナ禍という状況に変わりはないが、「緊急事態宣言、まん延防止等重点措置による行動制限の期間が今回の方が長く、結婚式への影響も長期化した」とリクルートブライダル総研の有田一真(ありた・かずま)研究員はいう。

 「結婚トレンド調査2022」は、全国(沖縄を除く)の「ゼクシィ」読者およびネット会員のうち、2021年4月~2022年3月に挙式または披露宴・ウエディングパーティーを実施した人を対象に、2022年4月15日~5月16日まで郵送で行った。事前調査の調査票回収数は6,175件、回収率は19.4%。本調査の調査票回収数4,016件、回収率68.8%。

 一方、リクルートブライダル総研による「結婚総合意識調査2022」によると、「披露宴・ウエディングパーティーを実施してよかったと思ったこと」として、「準備期間に親と相談したり、一緒に時間を過ごすことができた」、「高齢の親族が、当日を楽しみに元気になってくれた」、「親・親族との絆が強くなった」との回答が増加した。

 さらにカップル自身の結婚観としては、「自分たちに合ったウエディングパーティーのスタイルがあると思う」との回答が54.5%あったのと同時に、「よくある披露宴・ウエディングパーティーの形はやりたくない」との答えが36.3%あった。

 リクルートブライダル総研の有田研究員によると「ウエディングスタイルの多様化のニーズが高まって」おり、コロナ禍で「立ち止まったからこそ、自分たちにとっての結婚式の意味や、自分たちらしい結婚式の在り方、表現方法について考えるきっかけとなった」。

 「人と集い語らう場の制限が続く中、新郎新婦はもとより、親、親族をはじめとしたゲストが一堂に会する、集う場の希少性が高まったのと同時に、新郎新婦をはじめとした人との繋がりや気持ちの交流をより大切にし・・・結婚式の1日を楽しむという意識」が高まったのではないか、と有田研究員は語った。

 「結婚総合意識調査2022」の既婚編は、全国16~79才の男女を対象に2022年5月19日から6月10日まで、インターネットによるアンケートで予備調査が行われた。有効サンプル数は26万2,147人。本調査は、2022年5月23日から6月10日まで、“結婚した時期”を「2021年4月~2022年3月」と回答した20~49才の既婚者を対象に実施され、有効サンプル数は2,480人で、集計サンプル数は1,500人だった。