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歯と口で気になること、若い世代は「見た目」 かむ力の低下は全身の衰えを加速させる要因に

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日本歯科医師会 「歯科医療に関する一般生活者意識調査」

 

 公益社団法人日本歯科医師会(東京都千代田区)は、全国の15~79歳の男女1万人を対象に8月下旬実施した「歯科医療に関する一般生活者意識調査」の結果を、このほど公表した。2005年からほぼ隔年で行っており、今回で9回目。

 まず、歯や口で気になることを複数回答で尋ねたところ、「歯と歯の間にものが挟まる」が37.2%と最も多く、「歯の色」30.6%、「口臭」と「歯並び」がともに21.8%と続いた。年代別では、10代と20代は「歯の色」や「歯並び」などの見た目、40代以上は「歯と歯の間にものが挟まる」ことに悩みを持っていた。

 歯の定期チェック受診率は、全体では45.3%だったが、10代は35.7%、20代は36.2%とそれぞれ約10ポイント低かった。若い世代の傾向として、10代の53.6%は「硬い食べ物より柔らかい食べ物が好き」、40.3%は「硬い食べ物をかみ切れないことがある」と回答し、「食事でかんでいると顎が疲れることがある」と答えたのは48.3%と、70代の2.7倍も多かった。

 日本歯科医師会は、かむ力の低下は顎関節症などを起こすだけでなく、食物繊維が多く含まれる歯応えのある食品や、かみ応えのある肉などたんぱく質の摂取量低下によって栄養不足や運動機能の低下を招き、将来的には全身の衰え(フレイル)を加速させる要因につながると危機感を持っている。そこで①舌を含めた口周りの筋トレ②ものを食べるときはよくかみ、30回はそしゃく③頬の筋力を高めるためにのどの奥でのガラガラうがい―などを勧めている。