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ペットボトルの効率的な回収とリサイクル目指す 全清飲が3企業の6ビルで実証実験

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 一般社団法人全国清涼飲料連合会(東京都千代田区)は7~9月、東京都内の3企業6ビルの屋内施設で、清涼飲料空容器の一元回収実証実験を実施している。

 事業系で回収される使用済みペットボトルは、収集運搬、保管、ペール化処理に分別のためのルールがなく、排出先で分別回収される場合もあれば、分別されずに飲料容器以外のたばこの吸い殻や弁当の空箱、コーヒーのプラカップなどが混入しているケースもあり、リサイクルを難しくする要因となっている。

 通常、大規模ビルの飲料空容器の回収は、自販機事業者、ビル管理会社で回収方法が分かれているが、実証実験は①ペットボトルと缶・ビンの二つに分別②飲み残しのないようにする―など分別ルールに同意した屋内施設で一元回収・処理システムを導入。啓発などを行うことで、より効率的な回収と“水平リサイクル”と呼ばれる「ボトルtoボトル」の推進を目指す、としている。収集運搬、保管、ペール化など一連の処理は、この実証実験の回収物だけで実施し、回収されたペットボトルの品質が「ボトルtoボトル」にどのように影響するかと、その際の自販機事業者のコスト削減、働き方改革などを検証する。

 実験に協力するのは住友不動産、野村不動産、バンダイの3社。今年4月に施行された「プラスチック資源循環法」によって、資源循環やカーボンニュートラルの動きが進む中、清涼飲料業界は「2030年ペットボトル100%有効利用」と「2030年ボトルtoボトル比率50%以上」の達成を目指している。