カルチャー

自動車、食品、アパレル分野の最新素材を公開 化学メーカー、三菱ケミカルグループがプレス内覧会

東京・大手町のショールーム「KAITEKI SQUARE」。
東京・大手町のショールーム「KAITEKI SQUARE」。

 国内最大手の化学メーカー、三菱ケミカルグループは、7月に三菱ケミカルホールディングスから社名変更を行った。これを記念し、9月15日に東京・大手町のショールーム「KAITEKI SQUARE」でプレス向け内覧会を開いた。

 ショールームでの説明会では、同社が最も注力しているエレクトロニクス、ヘルスケア&ライフサイエンス市場での関わりを三つの分野で紹介した。

 一つ目はカーボンニュートラルの実現を目指す自動車産業だ。車体の軽量化を可能にし、鉄の10倍の強度を持つ炭素繊維や、軽量で耐衝撃性、耐熱性などに優れている植物由来のエンジニアリングプラスチック、高容量、急速充放電に優れたリチウムイオン電池材料などが紹介された。

自動車用途ではトップシェアの負極材と電解液。
自動車用途ではトップシェアの負極材と電解液。

 二つ目の食品関連では、医療品にも使用される高性能フィルム包装材。この包装材は消費期限の延長に寄与し、食品ロス削減につながっている。また、食品を均一に混ざりやすくするために欠かせない乳化剤のショ糖脂肪酸エステルでは、世界一のシェアを持つという。

食品の長寿命化に寄与する包装材。
食品の長寿命化に寄与する包装材。

 サステナブル(持続可能)な素材では、自然界の土中の微生物で分解される植物由来のバイオプラスチックに注目が集まっている。包装材、スプーンやストローなどさまざまな用途に使用される。アパレルにも参入し、環境負荷の低い天然木材パルプを原料にしたトリアセテート繊維を使った衣類を開発。天然原料に化学の力を組み合わせることで生まれた新素材は、機能的で肌触りも良く扱いやすいとされている。

同社初となるアパレルブランド「age3026」。
同社初となるアパレルブランド「age3026」。

 三菱ケミカルグループの経営方針は、市場の成長性、競争力、サステナビリティー(持続可能性)に注視し、エレクトロニクス、ヘルスケア&ライフサイエンスを最重要戦略市場として位置付けている。