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『テルマエ・ロマエ』の原作漫画家ヤマザキマリさんの広大な世界にふれる 東京造形大学で10月25日から個展開催

展覧会「ヤマザキマリの世界」 ©東京造形大学
展覧会「ヤマザキマリの世界」 ©東京造形大学

 大ヒット映画『テルマエ・ロマエ』の原作漫画家で文筆家でもあるヤマザキマリさんの個展が東京造形大学(東京都八王子市)で10月25日(火)から11月26日(土)まで開かれる。

 最近では、本業ともいえる油絵で、人気アーティスト山下達郎の最新アルバム『Softly』のジャケットのために彼の肖像画を描いたことでも話題になっている。

 「ヤマザキマリの世界」展は学内付属美術館で同期間、ZOKEIギャラリー(12号館1階)で11月18日(金)まで開催。開館時間は10:00~16:30(最終入館時間は16時)。ただし11月7日(月)、25日(金)は19時まで開館。日曜日・祝日は休み。入館料は無料。

ヤマザキマリさん。 ©ヤマザキマリ/スマイルカンパニー
ヤマザキマリさん。 ©ヤマザキマリ/スマイルカンパニー

 14歳で初めて1人でヨーロッパを旅して以来、国境にとらわれない生き方を続けているヤマザキマリさん。イタリアで絵画と美術史を学び、その後さまざまな文明圏で暮らしながら培ってきた知識と経験は、古代ローマと現代日本の入浴文化をクロスオーバーさせた『テルマエ・ロマエ』などの漫画や、多くのエッセイのなかにさまざまな形で表れており、幅広い好奇心と旺盛な創作エネルギーによって日々生み出される作品群は、常に多くの人々を魅了し続けている。

 展覧会のプレスリリースでは、「本学の客員教授でもあるヤマザキマリのインスピレーションの源泉がどこにあるのかを探るために企画された本展では、大きく分けて3つのジャンルからその広大な世界を俯瞰(ふかん)します」と説明。次のような見どころを挙げている。

《山下達郎の肖像》 2022年 ©ヤマザキマリ
《山下達郎の肖像》 2022年 ©ヤマザキマリ
漫画『テルマエ・ロマエ』から ©ヤマザキマリ/KADOKAWA
漫画『テルマエ・ロマエ』から ©ヤマザキマリ/KADOKAWA

 〇「漫画家として」―ファン垂涎!『テルマエ・ロマエ』の手描き原稿を多数展示。ルネサンス愛あふれる漫画作品最新刊『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝』も詳しく紹介! ほかにも『プリニウス』、『オリンピア・キュクロス』といった代表作をはじめ、『ルミとマヤとその周辺』や『PIL』、『ジャコモ・フォスカリ』のような個性的作品まで、ヤマザキマリの漫画世界をあますところなく紹介。

 〇「著述家として」―単著本はもちろん、共著本から雑誌記事までその著作活動を網羅!ヤマザキマリの活動の二つ目の柱が、エッセイストとしてのそれである――世界数か国での暮らしや旅で得た思索を記した『国境のない生き方』、家族についてつづったエッセイ『ヴィオラ母さん』、『ムスコ物語』など、言葉の海の数々を紹介する。

 〇「画家として」―山下達郎の新譜『Softly』のジャケットに用いられた油彩による肖像画が初公開されるとともに、最新作の油彩画も展示予定。本邦初公開! 4歳からの幼少期に描いた貴重な資料、作家の片鱗を感じさせる10代後半の作品など、創作の足跡をたどる。

 また、関連イベントとして、ヤマザキさんによるギャラリートークが11月7日(月)17:30~18:30に開かれる。ただし事前申し込み制。

 ヤマザキさんは1967年東京都生まれ。’84年に渡伊。国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で美術史と油絵を専攻。『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞2010、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。映画化され、2013年公開。続編も翌年公開された。2015年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ章受賞。

 文筆家としても活躍しており、主な著書に『国境のない生き方』(小学館新書)、『オリンピア・キュクロス』(集英社)、『男性論』(文春新書)、『ヴィオラ母さん』(同)、『パスタ嫌い』(新潮社)、『スティーブ・ジョブス』(講談社)などがある。

 エジプト、シリア、ポルトガル、米国を経て、現在はイタリアと日本に拠点を置く。 詳細は個展のホームページまで。問い合わせ先は東京造形大学(042-637-8111)。