カルチャー

地域通貨開発で君津信用組合が大賞に 第2回しんくみブランド表彰

信用組合の理念“相互扶助”を掲げる全国信用組合中央協会のホームページ
信用組合の理念“相互扶助”を掲げる全国信用組合中央協会のホームページ

 地域活性化に貢献した優れた信用組合や信用組合職員を表彰する「第2回しんくみブランド表彰」(全国信用組合中央協会主催)の受賞者が9月22日、発表された。大賞に君津信用組合(千葉県)、優秀賞に3つの信組組織と信組職員計6人が選ばれた。

 大賞の君津信用組合は電子地域通貨「アクアコイン」を開発。スマホ専用アプリと2次元バーコードを利用した代金決済サービスを運用して地域内の資金循環を促進し、地域住民や観光客らの消費意欲を高めた。また行政などと協力してアクアコインを使った市税納付の推進にも取り組んだ。

 優秀賞は、茨城県信用組合(茨城県)、糸魚川信用組合(新潟県)、岡山県信用組合協会(岡山県)のほか、第一勧業信用組合(東京都)の藤岡英樹、畠山芳明、杉山由美子の3人と、広島県信用組合(広島県)の山田桃花、渡辺麻依、西谷祥の3人がそれぞれ受賞した。

 茨城県信用組合は、地元の小学校児童が商店街で商売の流れを体験する、地元商店街主催の商店街体験型金融教育「キッズ未来プロジェクトきずな」に協力。子どもたちの出店事業計画を聞き、商売の元手となる資金を提供する役割を担っている。

 糸魚川信用組合は、新型コロナウイルス禍の地元飲食店を支援するため、テイクアウトやデリバリーの導入を提案。テイクアウトやデリバリーを始めた飲食店を組合ホームページに無料で掲載をしたり、新聞折り込みでPRしたりするなどして周知に努めた。さらに割引特典提供店を収録した「糸魚川得本」も発行した。

 岡山県信用組合協会は「しんくみビジネスマッチング展」を開催し、ビジネスチャンスの創出やビジネスパートナーとの出会いの場を取引先事業者に提供。地域の発展、振興に貢献している。

 第一勧業信用組合の3人は、みこし担ぎなど地元催事に積極的に参加し、地域を盛り上げている。新型コロナウイルス禍では「コロナ収束後の盆踊りで使えるオリジナルご当地ソング」の制作を発案し、「篠崎望郷音頭」を完成させた。作詞・作曲・歌は3人が担当した。

 広島県信用組合の3人は、江戸時代から続く地域の伝統工芸「三原だるま」を存続させるため、同工芸の保存育成会代表に弟子入り。「三原だるま作り」を広める目的で「三原だるま保存会青年部」も結成した。

 「しんくみブランド表彰」は、信用組合の基本理念である相互扶助と信用組合の存在意義を広く知ってもらうことを目指し、2021年度から実施している。