カルチャー

しんくみ大賞に岡山・松川理沙さん 作文コンテスト「小さな助け合いの物語賞」

しんくみ大賞を受賞した松川理沙さん(右)と全国信用組合中央協会の柳沢祥二会長。
しんくみ大賞を受賞した松川理沙さん(右)と全国信用組合中央協会の柳沢祥二会長。

 万事、世知辛い世の中に埋もれてしまいがちな、“助け合い”を発掘して顕彰する懸賞作文コンテスト「小さな助け合いの物語賞」(全国信用組合中央協会主催)の受賞作文が10月21日、発表された。大賞は岡山県の松川理沙さん(45)の作文「近所の定食屋」が選ばれた。

 13回目を迎えた今年は、全国から1961点の応募があった。大賞のほか、きずな賞1点、18歳以下に贈られる未来応援賞3点など計15点の受賞作品が選ばれ、東京都内で開かれた「第58回全国信用組合大会」表彰式で、大賞、きずな賞、未来応援賞の計5人の受賞者に表彰状が贈られた。大賞ときずな賞の2つの作文は女優の佐藤奈織美さんが表彰式会場で朗読した。

受賞作文を朗読する佐藤奈織美さん。
受賞作文を朗読する佐藤奈織美さん。

 大賞作文「近所の定食屋」は、近所の子どもたちに「独りで食べるのが寂しかったらいつでもおいで」と温かい言葉をかけてくれた定食屋のおばさんの思い出をつづる。この店で子どものころ食べた温かいみそ汁などのおいしさに触れながら、現在定食屋を営む松川さんの子どもたちへの眼差しが、定食屋のおばさんの温かな気持ちと重なる構成の作品。表彰式で受賞の喜びを語った松川さんは「これからもたくさんの方々に笑顔と元気を届けたい」と満面の笑顔であいさつした。

 きずな賞は、鹿児島県の迫田彩夏さん(25)の「お弁当についているメッセージ」。新型コロナウイルスに感染し不安な毎日を過ごしたホテル療養中を振り返り、配給弁当に添えられた見ず知らずの人からの応援メッセージへの感謝をつづる。“顔も名前も知らない人”から元気をもらえる新鮮な驚きが素直な言葉で表現されている。表彰式で迫田さんは「これからも人とのつながりを大切にし、感じていければ」と語った。

 未来応援賞は、神奈川県の大垣諒真さん(12)の「宝物の五円玉」、福岡県の熊田百花さん(13)の「助けあいのこころ」、畑瀬由衣さん(14)の「優しい心とありがとう」が選ばれた。3人はそれぞれ表彰式で「これからも感謝の気持ちを忘れずに日々成長していきたい」(大垣さん)「受賞は本当にうれしい」(熊田さん)「人のやさしさを感じている。このような人のやさしさに応えていきたい」(畑瀬さん)とあいさつし、会場から拍手で祝福を受けた。

 このほかハートウォーミング賞の受賞者・受賞作文は次の通り(敬称略)。

 松岡智恵子(62歳、長野県)「満員電車内の盲導犬」▽福田かほり(38歳、長崎県)「演歌のある公園」▽宮崎みちる(57歳、千葉県)「チームワーク」▽木全彩花(28歳、愛知県)「1枚の絆創膏(ばんそうこう)」▽天竹勉(66歳、徳島県)「あたりまえのこと」▽石原泰哉(12歳、鹿児島県)「小さな出来事から得たこと」▽浅間美月(17歳、神奈川県)「想いの連鎖反応」▽山本花鈴(18歳、愛知県)「顔を知らないあの人」▽濱本祐実(61歳、兵庫県)「おばちゃん天使」▽杉田あずさ(25歳、大阪府)「温かい手」

入賞作文はすべて全国信用組合中央協会ホームページに掲載している。