カルチャー

良い出会いになりますように メスのセイウチが三重から愛知に嫁入り

タンポポ(伊勢シーパラダイス)
タンポポ(伊勢シーパラダイス)

 「伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス」(伊勢夫婦岩パラダイス・三重県伊勢市)のメスのセイウチ「タンポポ」(推定20歳)が、「南知多ビーチランド」(愛知県美浜町)のオスのセイウチ「キック」(25歳)のもとに、1月31日に嫁入りした。動物園同士が、動物の繁殖を目的に所有権を残したまま動物の貸し借りを行う制度「ブリーディングローン」制度を活用した計画。

キック(南知多ビーチランド)
キック(南知多ビーチランド)

 北極圏の沿岸地帯と氷縁部に生息する海生哺乳類、セイウチ。日本では9つの園館で飼育しており、そのうち繁殖に成功しているのは小樽水族館・鴨川シーワールド・鳥羽水族館の3園館のみ。現在、セイウチの輸入は大変難しく、国内のセイウチ飼育館で協力して繁殖に取り組んでいる。メスの妊娠期間は約15カ月。生後2年間は母子が一緒に生活する。

 両園間でのセイウチの嫁入りは2回目。昨年2月に嫁入りをしていた「ヒマワリ」は妊娠が確認でき、順調に経過すれば今年6月ごろの出産となるという。

 タンポポとキックは、2月から3月上旬にかけて同じ飼育舎で過ごし、交尾が確認でき次第、タンポポは伊勢シーパラダイスへ戻る。タンポポの帰郷は、3月中旬から4月上旬を予定している。新しい命誕生に向けた良い出会いとなりますように。