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映画『ビー・ジーズ 栄光の軌跡』が11月25日から公開 オリジナル・アルバム全20タイトルも再発

ph1 「ビー・ジーズ 栄光の軌跡」ポスター。

 世界中の音楽ファンを魅了したバリー、ロビン、モーリスのギブ3兄弟のファルセット・ボイス。全世界でアルバムを2億2千万枚以上売り上げ、全英・全米ナンバーワン・ヒットは20曲、トップ10ヒットが70曲という実績を誇るスーパー・グループがビー・ジーズだ。

 「マサチューセッツ」、「メロディ・フェア」、「傷心の日々」、「ステイン・アライブ」、「愛はきらめきの中に」など、多くの人々の人生を彩ってくれた名曲の数々を生んだビー・ジーズ。その歩みを追ったドキュメンタリー映画『ビー・ジーズ 栄光の軌跡』が11月25日(金)からヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館などで公開される。

 この映画(2020年/アメリカ/111分/配給Star Channel Movies)は、貴重な写真や未公開の映像を駆使してビー・ジーズの名曲誕生の瞬間を体験できる臨場感あふれる構成になっている。また、同時に、この作品は単なる成功談を超え、時代の寵児(ちょうじ)として疾走したビー・ジーズの3人を襲った逆風と現在へと続く偏見の萌芽を、一つの時代の終わりを告げるエピソードとともに描くことで、今日の分断社会へのメッセージともなっている。

 彼らがその嵐をどうやって生き延びたのか・・・これは成長物語であり、兄弟愛の物語でもある。監督はフランク・マーシャル。名匠スティーブン・スピルバーグ監督を支える名プロデューサーとして数々の名作を世に送り出してきたことで知られている。

 作品中では、ビー・ジーズをこよなく愛するエリック・クラプトン、ノエル・ギャラガー、クリス・マーティン、ジャスティン・ティンバーレイクなどのアーティストがインタビューに応じ、ビー・ジーズが彼らにとってどのような存在なのかを熱く語っている。

ⓒ1978 Shutterstock/Photo credit:Lennox Mclendon/AP/Shutterstock
ⓒ1978 Shutterstock/Photo credit:Lennox Mclendon/AP/Shutterstock

 そんなビー・ジーズの1967年にリリースされた世界デビュー・アルバム『ビー・ジーズ・ファースト』から2001年のアルバム『ディス・イズ・ホエア・アイ・ケイム・イン』まで20枚のオリジナル・アルバムがSHM-CD仕様で11月23日(水)に再発される。

 2016年にキャピトル・レコードがビー・ジーズのカタログとグローバル契約してから初の日本盤リリースとなる。時代の変遷を生き延び、人々の心に触れて、人生のサウンドトラックとなる名曲の数々。懐かしさを覚える人はもちろん、聴いたことがないという人にも一聴をおすすめしたい。

 再発されるオリジナル・アルバムは①『ビー・ジーズ・ファースト』(1967):UICY-16103②『ホリゾンタル』(68):UICY-16104③『アイディア』(68):UICY-16105④『オデッサ』(69):UICY-16106⑤『キューカンバー・キャッスル』(70):UICY-16107⑥『トゥー・イヤーズ・オン』(70):UICY-16108⑦『トラファルガー』(71):UICY-16109⑧『トゥ・フーム・イット・メイ・コンサーン』(72):UICY-16110⑨『ライフ・イン・ア・ティン・キャン』(73):UICY-16111⑩『ミスター・ナチュラル』(74):UICY-16112⑪『メイン・コース』(75):UICY-16113⑫『チルドレン・オブ・ザ・ワールド』(76):UICY-16114⑬『失われた愛の世界』(79):UICY-16115⑭『リヴィング・アイズ』(81):UICY-16116⑮『E.S.P』(87):UICY-16117⑯『ONE』(89):UICY-16118⑰『ハイ・シヴィライゼーション』(91):UICY-16119⑱『サイズ・イズント・エヴリシング』(93):UICY-16120⑲『スティル・ウォーターズ』(97):UICY-16121⑳『ディス・イズ・ホエア・アイ・ケイム・イン』(2001):UICY-16122。税込みで各1,885円。

ユニバーサルミュージックから再発される20枚のオリジナルアルバム。
ユニバーサルミュージックから再発される20枚のオリジナルアルバム。

 ビー・ジーズは60年代前半から活動し、まず移住先のオーストラリアで成功を収める。’67年にイギリスに帰国。同年の「ニューヨーク炭鉱の悲劇」を皮切りに、5人編成のグループはヒットを連発。だが、名声がもたらすプレッシャーから若きグループは空中分解する。

 70年代に入り、本来の3兄弟ユニットとして再出発を誓う。’75年にはビー・ジーズもディスコ・サウンドを大胆に取り入れ、「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」などのヒットを連発していく。そしてビー・ジーズの楽曲を取り入れた映画「サタデー・ナイト・フィーバー」が’77年に公開され、サウンドトラックも大ヒットを記録し、一大文化現象となる。

 2003年、モーリス・ギブが亡くなり、2012年にはロビンが死去。グループ活動は終了する。残されたバリーは音楽活動を続け、2018年にはナイト爵位を授与された。バリーが鎮魂と再生の思いをこめたソロ・アルバム『グリーンフィールズ:ザ・ギブ・ブラザーズ・ソングブックVol.1』(2021)は全英チャートで初登場1位を記録した。