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ランドセルの“アップサイクル”が人気 写真立てや財布、通帳ケースなどへ

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 小学校生活6年間使った思い出深いランドセル。処分できずにそのまま保管しているという家庭もあるかもしれない。広島県福山市で革製品の加工販売をするサードでは、「丈夫な素材で作られていて、まだまだ使えるランドセルが卒業と同時に捨てられてしまうのはもったいない」と、2011年から「ランドセルのリメークサービス」を行ってきた。年々依頼件数が増え、これまでに約600個のランドセルを“アップサイクル”(価値を高めて別の製品に生まれ変わらせること)してきた。

ランドセルを写真立てにリメイク
ランドセルを写真立てにリメイク

 ランドセルは思い出の詰まった一点物。リメークするなら必ず喜んでもらえるものをと、「どんなものを誰のために作るか」というヒアリングから念入りにスタート。例えば、「ランドセルで通帳ケースを作り、子どもが大きくなった時に両親からプレゼント」「ランドセルを買ってくれた祖父母へ、写真立てにリメークして写真を入れてプレゼント」「おそろいの形で家族みんなの名前の刻印入りキーホルダーに」などのケースがある。ランドセルのデザインの気に入っていた部分や思い出の傷など、リメークの際に使いたい箇所もじっくりヒアリング。デザイン提案・制作開始から約1カ月で、自宅に完成品が届く。1つのランドセルから、財布・通帳ケース・IDケース・小物入れ・写真立てなど、3点ほどにリメークするのが人気だという。リメークする工程でどうしても余ってしまう端材は、「サードの日」としている毎年3月10日に、地元の寺で無償で供養している。「ボロボロでもリメークしますよ」と発信したところ、50代の人が自身の小学生当時のランドセルのリメーク依頼もあったという。

余ったランドセルの端材はお寺で供養
余ったランドセルの端材はお寺で供養

 卒業と同時に物置やクローゼットにしまわれたランドセルが、夏場の高温多湿の環境で傷みやすい中、「夏休み思い出リメイクキャンペーン」を開催中。8月31日(水)までの依頼限定で、ランドセルをリメークした商品に、名前入れ刻印(税込み1,100円)が無料になる。ランドセルリメーク参考価格は、いずれも税込みで、財布11,550円~、小銭入れ4,400円~、キーケース9,900円~、写真立て12,100円~、通帳ケース16,500円~。材質、形状により変動する。