まめ学

かんぽ生命の調査で資産把握状況に「自信がない」が約7割 “もやもや資産”は一世帯あたり1,000万円以上

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 現金・保険・不動産……。自分が果たしてどれぐらいの資産を所持しているか、確認したことはあるだろうか? 資産があることは分かっていても、内容を正確に把握できているか自信がない資産もあるのでは!? かんぽ生命保険(東京、以下かんぽ生命)は、全国の20~70代の男女1,329人を対象にした「資産の把握状況に関する調査」を行った。その結果、資産の把握状況に関する自信がない人が全体の約7割いた。さらに、十分に内容を把握できているか自信がない“もやもや資産”が一世帯あたり1,000万円以上あり、国内総額は約600兆円に上ると推定されるという結果がまとまった。

資産の把握状況に関する自信がない人が約7割!
資産の把握状況に関する自信がない人が約7割!

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 かんぽ生命では、「あることは分かっていても、内容を正確に把握できているか自信がない資産」を、“もやもや資産”と名付けた。例えば、どの資産をどれくらい所持しているかはっきりと分からなかったり、将来その資産を受け取るために必要な書類の保管場所がすぐに思い浮かばなかったりする、さまざまな“もやもや”を抱えた資産だ。

 調査は7月1日から3日にかけて、インターネットを通して実施。まず全体に「自身が保有する資産の把握状況に不安を感じるかどうか」を尋ねたところ、「感じる」(29.4%)と「少し感じる」(40.0%)が合わせて約7割。この割合は、男女別で見ると男性が64.3%、女性が74.6%。年代別では、40代が最も多く約8割(79.4%)。性年代別では、30・40・50代女性がいずれも80~85%と割合が高かった。

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 資産の把握状況に不安を「感じる」「少し感じる」理由については、トップが「資産管理の仕方が分からないから」(43.3%)。2位が「なんとなく苦手意識があるから」(40.4%)、3位「面倒だから」(27.2%)だった。「インフレへの対処に自信がないから」「いつまで生きるか分からないから」という回答もあり、変化の多い時代に対する不安もうかがえた。年代別で見ると、働き盛りでライフステージの変化が多い30代は「苦手意識」が強く、「時間がないから」が他の世代より多い傾向にあった。60代は「書類の管理が大変だから」が32.6%で、平均より8.4ポイント高かった。

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 内容を十分に把握できているか自信がない資産のトップは、「現金・預貯金」(67.5%)。2位「生命保険」(38.9%)、3位「投資」(31.0%)だった。かんぽ生命は、「一世帯当たり“もやもや資産”計算式」を、「一世帯あたり資産分類ごとの平均所有額×一世帯あたり資産分類ごとの内容を十分に把握できているか自信がない割合」と設定して、“もやもや資産”の国内推定総額を試算。一世帯あたり1,000万円以上、国内総額は約600兆円に上るという推定結果が出た。さらに、60代以上のシニア世代について見ると、“もやもや資産”は、一世帯あたり約1,750万円を超えると推測され、全世代平均の約1.7倍であることが分かった。

内容を十分に把握できているか自信がない“もやもや資産”の存在が明らかに!一世帯あたり1,000万円以上!
内容を十分に把握できているか自信がない“もやもや資産”の存在が明らかに!一世帯あたり1,000万円以上!

 そもそも、資産は家族全体の問題だが、家族で資産について話す機会はあるだろうか? 「親と資産の話をした時期」を質問したところ、「話したことはない」がトップで6割を超えた(64.4%)。以下、「1年以内」(23.0%)、「1年~3年未満」(6.1%)だった。さらに、「いざという時に備えた親の資産を把握しているかどうか」については、「全て把握している」と答えた人は8.9%にとどまる結果に。「まったく把握していない」は37.7%、「一部把握しているが、すべては把握していない」が27.9%、「ほとんど把握していない」が25.5%だった。

夏休みは親子で確認を!いざという時に備え、親の資産を把握している子は8.9%
夏休みは親子で確認を!いざという時に備え、親の資産を把握している子は8.9%

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 仕事や学業のまとまった夏休みが取れ、家族で話す時間を持つことができたら、資産の内容確認をしてみてはいかがだろう? 今後、「こんな部分は節約していこう」「こんな楽しみを企画してみよう」など、話し合いが盛り上がるかも!

 同調査は、世帯数については「令和2年国税調査」、資産額については「金融広報中央委員会(日本銀行情報サービス局内)家計の金融行動に関する世論調査」「総務省統計局 2019年全国家計構造調査」を参考にまとめている。