単に、諸物価の上昇によるものではなく、気候変動も大きな理由になっている、最近の野菜の価格上昇。そうした中、タキイ種苗(京都市)は、今年ならではの、「野菜」の世相を明らかにし「2022年の野菜の総括」としてまとめた。この調査は2015年から毎年実施しており、今年で8回目となる。全国の20~60代の男女400人を対象に、11月4日~7日の期間に行った。
今年は3年目に突入したコロナ禍に加えて、ロシアによるウクライナ侵攻に起因する急激な円安、エネルギー高騰に天候不順が相次いで発生。そんな中で、野菜の価格について聞くと、78.8%の人が野菜の値上がりを実感していることがわかった。ちなみに、昨年の同じ調査では68.1%で、一気に10.7ポイントも上昇。みんな野菜は高くなったと思っているのだ。
価格上昇が顕著となる中で、恒例の「食べる機会が多かった野菜」を聞くと、1位 「たまねぎ」、2位 「キャベツ」──これは、なんと4年連続で同じ結果で、日本人がよく食べる野菜として不動の人気を誇っている。一方、昨年はトップ5圏外になっていた「きゅうり」が3位、「トマト」が4位に返り咲き。対して、「もやし」がランクダウン、「にんじん」「ねぎ」がトップ5より圏外になった。
特に高いと感じた野菜は「たまねぎ」「トマト」「キャベツ」だが、これらは高くても買う傾向にあるのかもしれない。ただ、「たまねぎ」については、価格の高騰からか、購入量が減った野菜でも1位となっている。
野菜の価格上昇への対応策としては「スーパーで見て安いものを買っている」「もやしなど比較的安価な野菜で補足・代替している」「料理に必要な最低限の野菜のみ買っている」が例年、変わらずのトップ3に。ただ、「工夫は特にしていない」が20%を超え過去最高になるなど、防衛策にも限界が訪れ始めているのかもしれない。