1月が飛ぶように過ぎていき、皆さまとっくに通常運転だと思いますが・・・。私にとっては今年最初の箸休めなので、原稿に向かう気分は年明けモードです。暦に恵まれたこの年末年始、皆さまどう過ごされましたか。
フリーになって変わったことの一つに、休みの取り方があります。会社員時代も「自分の居場所がなくなるかも・・・」という不安を感じなかったわけではありませんが、休むことは権利でしたし、代打をしてくれる同僚もいました。今は時間にゆとりができた半面、レギュラーは休めず、いつどんな仕事が舞い込むか分からないこともあり、長期休暇をもらうには、それなりの勇気と計画性、そしてマネージャーさんの理解が必要です。
以前の箸休めでも、日テレ時代に「週休1日制度」(その分自由に52日休める)を考えていた、と書きましたが、それほど海外旅行(主に一人旅)は、食に次いで大好きな、年に一度の欠かせない楽しみ。そんなわけでコロナ禍前は、心置きなく休める年末年始の海外旅行が恒例となっていました。
ところがコロナ禍で海外はおろか国内移動もままならなくなったことで、新たに見つけた楽しみが
「フライングおせち」。
食仲間と毎月通っているイタリアンがあるのですが、そこがおせちを作ると知り、これはみんなで食べないと!と、即注文。気になる中身は、長寿の海老、子孫繁栄の数の子、金運上昇のきんとん、豆豆しく働く黒豆など、食材は縁起物なので古式ゆかしく、見た目も和のおせち。でも味つけは、海老はレモン風味のマリネ、数の子は酒粕(かす)&ペペロンチーノあえ、きんとんはゴルゴンゾーラ風味、黒豆はアガペシロップやアマレット風味などなど、紛れもないイタリアン。
元日はそれぞれ予定もあるので、大晦日(みそか)に集まって紅白歌合戦でも見ながら食べよう!ということになり、場所はわが家に決定。恥ずかしながら最近知ったのですが、お正月飾りと同様、大掃除も29日と大晦日は避けた方が良いとのことで、小晦日までにきれいにしなければならない環境は個人的に大きなメリットでもあります。
ただ一つ悩ましいのは、コロナ禍の〝後遺症〟。何かと出無精になってしまっていて、特に海外一人旅への心理的ハードルが高くなっています。29日に思い立ち、翌日にチケットを取り、大晦日に旅立っていた私(とその行動力)は一体どこにいったのか。時間がたつほどハードルは上がっていく気がするので、早く乗り越えないと、と思っているのですが・・・。フライングおせちも捨て難い(笑)。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 6からの転載】
ばば・のりこ 東京都出身。早稲田大学商学部卒業。1997年日本テレビに入社し、情報・バラエティー・スポーツ・料理まで局を代表する数々の番組を担当。2014年7月からフリーアナウンサーとして、テレビ・インターネット番組・執筆・イベント司会・ナレーションなど幅広く活動中。大阪芸術大学放送学科教授も務める。