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在宅医療の現場で薬剤師の役割学ぶ 京都薬科大が4年ぶり実習プログラム実施

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「在宅医療研修アドバンストプログラム」

 

 京都薬科大(京都市)は6月から、在宅医療の現場で薬剤師としての役割を同大学生が学ぶ10日間の実習プログラム「在宅医療研修アドバンストプログラム」を4年ぶりに実施する。

 京都薬科大は2016年度から、渡辺西賀茂診療所(京都市)の協力を得て、医療系学生として他職種の視点を知り、在宅チーム医療における薬剤師の役割を学ぶことを目的に、5年生対象の在宅チーム医療実習を毎年実施。19年度までの4年間で32人が参加した。20~22年度は新型コロナウイルス感染症拡大のため中止していた。

 実習は6月から24年3月にかけて、1回10日間を全16回開催。各回の参加学生の定員は2人。医療・介護現場で、医師や看護師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、鍼灸(しんきゅう)師、ケアマネジャーなどの視点や考え方を学ぶ。夜勤も体験し、介護福祉士の仕事を学習する。実習最終日に、参加学生が10日間の研修経験で得た学びや気づきなどについて発表する機会も設ける。

 参加学生は「初日から看取(みと)りの話があり、それまで病気を治すこと、薬物治療のことしか考えていなかったので、看取るという事実に衝撃を受けた」「薬剤師ができることは限られていると思っていたが、できない部分を薬剤師の視点で考えて他職種へアプローチすることが重要」などと、医療現場で得た貴重な経験を振り返っている。

 京都薬科大は「実習は、病院とは異なる環境下で、他職種と協働しながら地域で患者を支えていく医療を経験し、その中で薬剤師として何ができるかを考える機会となっている」と参加学生の成長を実感している。