カルチャー

「脱皮していくような爽快感」を感じてみませんか? 兵庫県立美術館で「ミニマル/コンセプチュアル」アート展開催

 

 20世紀後半のアートに大きな変革をもたらした「ミニマル・アート」と「コンセプチュアル・アート」をひもとく展覧会「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術」が、兵庫県立美術館で開催されている。

 故ドロテ&コンラート・フィッシャー夫妻は、同時代に現れた尖鋭的な表現の重要性を認め、それを世に紹介する活動を展開した伝説のギャラリスト・キュレーター。ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館に収蔵される彼らのコレクションに、国内の作品を加えた約130点が展示されている。

 ミニマル・アートは、主に1960年代のアメリカで展開した美術の潮流。作家の手仕事を見せるのではなく、工業材料や市販製品を用いて、単純で幾何学的な形や、反復からなる作品に特徴がある。ミニマル・アートに続いて現れたコンセプチュアル・アートは、物質的な制作物以上に、そのコンセプトやアイデアを重視するもの。周辺環境や空間と積極的に関わり、言語や印刷物、日用品、作家自身の行為、記録写真や映像など、多様な媒体を用いる。

 展覧会の見どころについて、同県立美術館の河田亜也子(かわだ・あやこ)学芸員は「見た目も美的に楽しめる部分もありますが、それ以上に、これまでの常識、美術の決まりごととされていたことが次から次へと覆されていきます。常識を取り外したらちょっと面白くなるなとか、そういう驚きに触れていく中で、自分自身も何か脱皮していくような爽快感を感じてほしい」と語っている。
 展覧会は5月29日(日)まで。