「マスターズ」とは「物事を極めた人」のことだ。ゴルフでは一流選手だけが参加できるマスターズ・トーナメントは最高の夢舞台として知られる。「プレミアム」も同様に特別感があるが、サントリービール(東京)は、プレミアムな上にマスターズを付けた「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」を開発。“醸造家の夢”とされるビールを市場投入した。
同社は5月17日、JR東京駅近くのビアバー「マスターズドリームハウス 丸の内」でブランドセミナーを開催。4月5日に発売した濾過(ろか)をしない製法で造った「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈無濾過〉」と、ウイスキーの原酒樽(たる)で熟成した「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈白州原酒樽熟成〉」を披露し、本格展開する方針を明らかにした。
サントリービール商品開発研究部で醸造家でもある丸橋太一部長が「無濾過」のビールについて「製造過程で濾過をしない味の魅力も分かっていたが、技術的に可能になったことで商品化することができた」と説明。特徴として「やわらかい口当たりになり、濃密で上質な味わいがある」と無濾過ならではの魅力を強調した。
「マスターズドリーム」は、サントリービールが10年かけて開発し2015年に発売。当初は小瓶で販売したほか、缶は贈答用などで限定販売してきた。2016年にはシングルモルトウイスキー「山崎」の熟成に使用した樽の中でマスターズドリームを熟成させた「山崎原酒樽熟成」をキャンペーン商品として提供。今回は同じくシングルモルトウイスキー「白州」の樽で熟成させた「白州原酒樽熟成」を開発し、キャンペーンを展開する。
キャンペーンは、ワインボトルのような瓶に入れた白州原酒樽熟成(715ミリリットル)1本と無濾過(350ミリリットル缶)2本をセットにして5,600円で5,000セットを抽選販売する。
応募は5月17日に始まり、6月19日午後11時59分まで受け付ける。特設サイトで「プレモルメンバーズ」に登録することが条件だ。昨年、山崎原酒樽熟成を抽選販売した際は、2,000本の販売に対し約3万4000件の応募があり、倍率は約17倍だったという。
簡単には飲めないのがビール好きにはつらいが、抽選に外れてもマスターズドリームハウスや工場見学で木樽熟成を飲めるという。セミナーで登壇したサントリービールの多田寅(すすむ)プレミアム戦略部長は「樽熟成の市販は品質保証など課題があるが、無濾過はレギュラー化した。プレモルの最高峰を味わってほしい」と話した。