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大津市の「藤三郎紐」で“幻の組台”見学と組紐作り 滋賀県の「シガリズム」で江戸時代からの伝統を体験

大津市の「藤三郎紐」で“幻の組台”見学と組紐作り 滋賀県の「シガリズム」で江戸時代からの伝統を体験 画像1
滋賀県 「内記台を使った組紐作り」

 

 滋賀県は、単に観光地を巡るだけでなく、暮らしや営みの中で伝わってきた地域の魅力を知る「シガリズム体験」について情報発信しており、このほど大津市の藤三郎紐(とうざぶろうひも)を紹介した。

 滋賀県によると、藤三郎紐は江戸時代末期の1867(慶応3)年、初代太田藤三郎の妻が副職として、東海道を往来する人々に印籠(いんろう)の紐など組紐(くみひも)の雑貨を置いて商いをしたのが始まりだという。現在は四代目・太田藤三郎さんと五代目・太田浩一さんが伝統を引き継いでいる。

 組紐とは、糸を組んで作り上げた紐のことで、古くは経典の巻物の紐や僧侶の衣装である袈裟(けさ)の紐、公家や武士の装束などに使用。明治維新で武家社会が終わると、羽織の紐や女性の和装に欠かせない「帯締め」となり、広く一般の人にも使われるようになったという。藤三郎紐の組紐は、滋賀県伝統的工芸品に指定されている。

 「藤三郎紐」の組紐の歴史を作ってきたのが、「内記台(ないきだい)」という組台。木製の手動式組台で、江戸時代後期の発明とされ、現在はほとんど見られないことから、「藤三郎紐」の内記台は“幻の組台”とも言われているという。

 「藤三郎紐」では、組紐と染色の体験、内記台をはじめとする組紐の組台の見学ができる。詳細はシガリズム体験ホームページを参照。