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マエストロの葛藤と栄光に迫る映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』 巨匠の人生を傑作の名場面とともに振り返る

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

 『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『死刑台のメロディ』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、『アンタッチャブル』、『ニュー・シネマ・パラダイス』など多くの名作の音楽を手がけたマエストロの葛藤と栄光に迫るドキュメンタリー映画が封切られる。

 『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(監督:ジュゼッペ・トルナトーレ/原題:Ennio/157分/イタリア/カラー/字幕翻訳:松浦美奈/字幕監修:前島秀国)が1月13日(金)からTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほかで全国順次ロードショー上映される。

 2020年7月、世界は類いまれなる才能を失った。エンニオ・モリコーネ。享年91才。
 1961年以来、500作品以上という驚異的な数の映画とTV作品の音楽を手がけ、アカデミー賞には6度ノミネートされ、『ヘイトフル・エイト』(2015)で作曲賞を受賞し、2007年にはそのモリコーネの全功績を称える名誉賞にも輝いた。

 そんな伝説のマエストロに、弟子であり親友でもある、『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、5年以上にわたる密着取材を敢行。結果として、生前の姿を捉える最後の作品となってしまった、ドキュメンタリー映画を完成させた。

 スクリーンの中で、モリコーネ自らが自身の半生を回想、かつては映画音楽の芸術的地位が低かったため、幾度もこの仕事をやめようとしたと告白。クラシック音楽の道へ進まなかった葛藤と向き合いながら、いかにして音楽家としての誇りを手にするに至ったかが、数多の懐かしい傑作の名場面と、世界ツアーの心揺さぶられる演奏とともにひもとかれていく。

 さらに、クエンティン・タランティーノ、ベルナルド・ベルトルッチ、ハンス・ジマー、クリント・イーストウッド、ジョン・ウィリアムズ、ジョーン・バエズ、ブルース・スプリングスティーン、クインシー・ジョーンズなど70人以上のそうそうたる著名人のインタビューによって、モリコーネの仕事術の秘密が明かされていく。

 同時に、初公開となるプライベートな映像が、奇才のチャーミングな人間性と妻への美しい愛を浮き彫りにする。「ジュゼッペ以外はダメだ」と、モリコーネ自身が本作の監督に指名したトルナトーレの前だからこそ、最後に口にした芸術の深淵を見た者の言葉とは?
 今も、そしてこれからも、モリコーネのメロディーを聴くだけで、あの日、あの映画に胸が高鳴り涙した瞬間がよみがえる。愛と幸福に満ちた音楽ドキュメンタリーだ。

モリコーネが手がけた映画音楽から、バロック音楽を始め、ジャズ、ロック、ボサノバまで、ほぼすべての音楽スタイルを網羅した日本独自のコンピレーションが発売中。映画にも使われた『荒野の用心棒』、『死刑台のメロディ』なども収録した2枚組CD『ENNIO MORRICONE』(RBCP-3470)、税込み3,080円。発売元はランブリング・レコーズ。
モリコーネが手がけた映画音楽から、バロック音楽を始め、ジャズ、ロック、ボサノバまで、ほぼすべての音楽スタイルを網羅した日本独自のコンピレーションが発売中。映画にも使われた『荒野の用心棒』、『死刑台のメロディ』なども収録した2枚組CD『ENNIO MORRICONE』(RBCP-3470)、税込み3,080円。発売元はランブリング・レコーズ。