カルチャー

【おためしリポート】ヘタってきたマットレスは本当によみがえるのか? 体圧分散オールシーズン敷きパッドを実際に使ってみた

「すばらしきしんぐ」の商品パッケージ。想像以上に軽いのに驚いた。
「すばらしきしんぐ」の商品パッケージ。想像以上に軽いのに驚いた。

 「今お手持ちのヘタったマットレスや敷きふとんの上に敷くだけで新品のような弾力性がよみがえります」

 そんな触れ込みにひかれて、高級寝具などの企画・販売を手がけるディーブレス(東京)社に連絡を取った。発売したばかりの「すばらしきしんぐ オールシーズン体圧分散敷きパッド」の試用取材を申し込むためだ。実は最近、自宅で使っているマットレスが少しヘタってきたような気がしていたところだった。さらに、寝具のせいではないと思うが、1カ月前にギックリ腰をやってしまったので、「腰がつらくて眠れない方に特化したオールシーズン使える敷きパッド」という説明にもかなり心が動いたのだ。

 1週間ほどで段ボールが届き、かなり切実な理由からの試用取材が始まった。期待が大きすぎたのか、段ボールを開けて製品を手に取った第一印象は「え?」。手で持つとかなり軽いし、8つに折りたたまれているではないか。輸送時にコンパクトにするためであろうが、使用時に折り目の部分で体が沈み込まないのだろうかと、ちょっと心配になった。

 試用リポートに入る前に、現在、筆者が使用している寝具の状況を説明しておこう。引き出し付きのシングルベッドで高さは約40cm。その上に厚さ10cmほどの、やや硬めのマットレスが載っている。マットレスの中身は網目状のグラスファイバーを固めたような素材で、畳よりは柔らかいが、スプリングほどは沈み込まない。硬めのマットレスが好きなので、かなり気に入っていたが、購入から約5年たち、最近は腰のあたりがやや沈み込む感じがする。見た目では特にくぼみなどは感じられないが、実際にマットレスの表面を、上半身が載るあたりから足先のあたりまで手のひらでスーッとなでていくと、腰の部分がわずかにへこんでいるのがはっきりわかる。

自宅で使用しているマットレス。購入から約5年たち、腰のあたりがヘタってきたように感じる。
自宅で使用しているマットレス。購入から約5年たち、腰のあたりがヘタってきたように感じる。

 さあ、いよいよ期待の敷きパッドを試してみることにしよう。といっても、方法は簡単。マットレスの上に載せ、夏は「ひんやり面」を、冬は「あったか面」を上にして、四隅のゴムで固定するだけである。厚さは約15mm。想像以上に薄い感じがする。大丈夫かなぁと心配しながら体を横たえてみると…あれ、腰の沈み込みが感じられない。商品が届いたときに気になった折り目の部分、そこで折れて体が沈み込んでいるような様子も特に感じられない。マットレス(+敷きパッド)が身体を面でしっかり支えてくれているような感覚がちゃんとあるのだ。これが体圧分散効果ってやつか。

自宅マットレスに「すばらしきしんぐ」を装着したところ。
自宅マットレスに「すばらしきしんぐ」を装着したところ。

 発売元によると、薄いのに沈み込みを防げる理由は、床ずれ防止用に介護の現場でも採用されている“3次元立体編物”FUSIONを基材に使用しているから。旭化成アドバンスが開発し特許も取得したFUSIONは、素材の違うさまざまなグレードがあるが、今回「すばらしきしんぐ」では、ポリエステルを上回る形態回復性とナイロンより優れた柔らかさの新素材PTTを80%配合したグレードのFUSIONが使われているという。

「すばらしきしんぐ」試用前と使用時の体圧を測定した図。使用時は体圧が分散され、肩や腰にかかる負担が軽減されている。(写真提供:ディーブレス)
「すばらしきしんぐ」試用前と使用時の体圧を測定した図。使用時は体圧が分散され、肩や腰にかかる負担が軽減されている。(写真提供:ディーブレス)
「すばらしきしんぐ」の断面図。3次元立体編物FUSIONをメインにした4層リバーシブル構造になっていて、夏は「ひんやり面」、冬は「あったか面」と使い分けができる。(写真提供:ディーブレス)
「すばらしきしんぐ」の断面図。3次元立体編物FUSIONをメインにした4層リバーシブル構造になっていて、夏は「ひんやり面」、冬は「あったか面」と使い分けができる。(写真提供:ディーブレス)

 実際に試してみた感想は、このベッドでこんな感覚は久しぶり…って、つまり言い換えれば、マットレスの「新品のような弾力性がよみがえった」ってことじゃないか! こんなに薄い敷きパッドなのに、う~ん、何とも不思議だ。たぶん、実際にはマットレスの弾力性がよみがえったのではなく、体圧分散効果が新品のような使用感を感じさせているのではないかと想像するが…。ヘタり具合が大きいマットレスまでは断言できないが、少なくとも筆者の自宅では、確実に効果があった。体のどこかに負荷が集中しないせいか、翌日の朝の目覚めも快適。これがあれば、もうマットレスを買い替える必要はないなと正直思った。

「ひんやり面」の表面は麻100%で夏でもさらさらとした手触りが気持ちいい。
「ひんやり面」の表面は麻100%で夏でもさらさらとした手触りが気持ちいい。
「あったか面」は、保温性と弾力性のあるブリティッシュウールが下からくる寒さを遮断。表面は肌着にも使われる綿100%コットンスムースの優しい肌触り。
「あったか面」は、保温性と弾力性のあるブリティッシュウールが下からくる寒さを遮断。表面は肌着にも使われる綿100%コットンスムースの優しい肌触り。

 最後に、「すばらしきしんぐ オールシーズン体圧分散敷きパッド」のもう一つの特長「オールシーズン」についてもふれておこう。この敷きパッドは、天然素材を組み合わせた独自の4層リバーシブル構造で、3次元立体編物FUSIONがマットレスと背中の間に空気層を作るので、夏涼しく冬暖かい。夏は優れた通気性と麻100%の「ひんやり面」を使うことによるサラサラ感が得られ、冬は保温性と弾力性のあるブリティッシュウールを使用した「あったか面」(表面は綿100%)で下からくる寒さを遮断する。今回はもちろん、「ひんやり面」を表にして使用。麻のさらさらとした感触が実に心地よかった。

「すばらしきしんぐ」の「あったか面」を上にしたところ。
「すばらしきしんぐ」の「あったか面」を上にしたところ。
冬に「すばらしきしんぐ」(あったか面)を使っていない時と使った時の温度の違い。(写真提供:ディーブレス)
冬に「すばらしきしんぐ」(あったか面)を使っていない時と使った時の温度の違い。(写真提供:ディーブレス)

 現在、自宅のベッドは春夏用と秋冬用の敷きパッドを季節に応じて出したりしまったりして使い分けているが、この敷きパッドなら1枚で一年中使用が可能になるのも楽でいい。サイズはシングルが100cm×205cm。価格は税込みで29,700円と少々、値が張るが、使っているベッドがけっこう良いものだったなら、それが復活すると思えば高くはないだろう。あるいは安いマットレスを使っていたとしても、それが高機能になるとしたらそれはそれでお買い得という考え方もある。いずれにしても一考の価値はある敷きパッドではないだろうか。

縦に3つ折りした後くるくる丸めて小さく折り畳めるから、洗濯機で丸洗いが可能。軽量コンパクトなので干すのもラクラク。(写真提供:ディーブレス)
縦に3つ折りした後くるくる丸めて小さく折り畳めるから、洗濯機で丸洗いが可能。軽量コンパクトなので干すのもラクラク。(写真提供:ディーブレス)

OVO編集部K