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キリンはなぜほとんど声を出さないの? 解明されていない問いに想像力で向き合う『どうぶつのわかっていること・わかっていないこと』

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 「キリンはほとんど声を出さない」「ゾウは犬より何百倍も鼻がいい」といったことが生態として分かっているという。しかし、なぜ!? インターネットで検索すれば、何でもすぐに手がかりや答えが見つかる現代。でも、世の中には「分かっている」ようで「分かっていない」ことがたくさん! 「分からない」を「分かった!」にする第一歩は、「もしかして〇〇だから?」と自由な発想で仮説を立て、検証することから始まる。

 動物について世界で解明されていないナゾの数々について、「仮説を立てて検証する」という思考プロセスを、子どもたちが自然に体験できる新感覚の絵本が、このほど刊行された。京都大学野生動物研究センター監修の『どうぶつのわかっていること・わかっていないこと』(文・木下さとみ氏、絵・吉森 太助氏、小学館集英社プロダクション・東京)。税込み1,540円。

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 キリンはなぜほとんど声を出さないのだろう。もしかして、「首が長すぎて声を出すのが大変!?」「角からメッセージを出している!?」「ポーズで気持ちを表現していて、特別な機械で測ったりしたら分かるのかな!?」。それとも「ただ静かに風の音を聞いていたいのかな…」。「もしかして、もしかして」と想像力を働かせて解明されていないナゾについて考えをめぐらせ、子どもたちが自ら未来を切り開いていく力を育む「探究学習」の第一歩にしてもらうことが狙い。

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「イヌワシは何でおうちがいくつもあるの?」「ナマケモノの背中から出るオレンジ色の脂は何なの?」「ある島に住んでいるニホンザルは、何でいもを洗ってから食べるの?」「コアラは何にこだわって食べる葉っぱを選んでいるの?」――。想像力を駆使し、「自分ならこう考える!」を親子で楽しんでみよう。