カルチャー

シェーグレン症候群、クローン病、全身性エリテマトーデス… 自己免疫疾患の患者によるアートで「病気のことをもっと知って」

 

 免疫機能が自分の身体を攻撃してしまう自己免疫疾患。シェーグレン症候群は、免疫細胞が自分の涙腺や唾液腺を「異物」として攻撃し、ドライアイやドライマウスになる。クローン病は小腸と大腸を中心とする消化管に、全身性エリテマトーデスは全身に炎症が起こる難病だ。こうした自己免疫疾患の患者は日本国内だけでも数百万人いるとされ、病気の原因が明らかになっていなかったり、根本治療がなかったりするという。

 アッヴィ(東京)は、こうした自己免疫疾患への理解を広めるために、患者自身が実体験を自由に表現する創作活動「アッヴィ アートプロジェクト『PERSPECTIVES(パースペクティブズ)』」の作品を募集している。全世界で200人を超えるアーティストにより、アーティストの視点から自己免疫疾患を作品として表現するプロジェクトとして2013年にスタート。その後、患者自身が創作する活動として2015年、日本独自に再出発した。これまでのプロジェクトで、3歳から90歳までの幅広い世代の患者から作品と作品に関わるエピソードが集まったという。

関節リウマチの北条かず子さん(90歳)=仮名=がリハビリのために描いた「浮かれ地蔵」(2021年最優秀賞作品)。
関節リウマチの北条かず子さん(90歳)=仮名=がリハビリのために描いた「浮かれ地蔵」(2021年最優秀賞作品)。
大学生の頃にクローン病を発症したという中手拓哉さん(32歳)の「龍と麒麟(きりん)と折れたツノ」(2021年優秀賞作品)。
大学生の頃にクローン病を発症したという中手拓哉さん(32歳)の「龍と麒麟(きりん)と折れたツノ」(2021年優秀賞作品)。
関節リウマチ、シェーグレン症候群の小林裕美子さん(56歳)の、365日分のハートをあしらった手芸作品「1年 365彩(いろ)」(2021年優秀賞作品)。
関節リウマチ、シェーグレン症候群の小林裕美子さん(56歳)の、365日分のハートをあしらった手芸作品「1年 365彩(いろ)」(2021年優秀賞作品)。

 現在、第4回の作品を募集中だ。応募対象は、関節リウマチ・若年性特発性関節炎・強直性脊椎炎・尋常性乾癬・乾癬性関節炎・クローン病・潰瘍性大腸炎・腸管型ベーチェット病・非感染性ぶどう膜炎・化膿性汗腺炎・アトピー性皮膚炎・シェーグレン症候群・全身性エリテマトーデスなどの免疫介在性炎症性疾患の患者。応募作品のテーマは「疾患と生きる。私の新たな可能性」。評価基準は「作品の表現力、オリジナリティー、メッセージ性、エピソードの内容」など。締め切りは12月16日。